平等って怖い

記録的な台風が過ぎて数日がたった。今回の災害による死者は70人に登ったらしい。日本に住んでいると台風や地震は珍しいものではなく、慣れによって恐怖の対象ではなくなってしまう。それでもそれなりの規模の災害が起これば、毎回どこかしらで多少の死者は出ている。知り合いが災害に巻き込まれて死んだりすれば、少しは災害の恐ろしさを実感するのだろうか。


人間は山を削り、海を埋め立て、世界中を自分たちの住みやすい環境に変えてきた。今では自然に対する畏敬の念は薄れ、自然を支配した気になっている。そしていつしか自然は守る対象になった。「守る」というのはより強いものが自分よりも弱いものに対してする行為である。人間は自然を超越した気になっている。

今回の台風で死んだ人の中にも、自然環境のことを考えて毎日「エコな生活」を心がけていた人もいたと思う。しかし自然はそんなことはお構いなしに、誰であっても平等に殺す。無差別殺人って平等殺人に言い換えられる気がする。


人は自然を守れない。自然は人を守らない。


そんなふうに思った。

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