第22話 手紙4(玲→つむぎ)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
立石つむぎ様へ
お手紙ありがとうございます。
何度か話し言葉で書いてはみたのですが、結局ビジネス調になってしまうため、このまま敬語で書くことにしました。
便せんについては突っ込まないでください。以前どこかでもらったものが、たまたま机の引き出しに入っていたので使ったまでです。慌てて文房具屋に駆け込んだわけではないこと、誤解なきようお願いします。
イルミネーションについて、私の知らないところで勝手に話が進んでいるようですね。この巻き込まれて引っ張られていく感じは、いつもうちに来て好き放題やっていたつむぎを思い出させてくれます。完全復活を遂げたようで、私もほっと一安心です。
決して褒めてはいません。クレジットカードの不正利用は犯罪です。
人込みは身長が高くても苦手な人は苦手です。私もダメなタイプです。
そんな私にエスコートを期待するというのは無茶というものでしょう。むしろ私がエスコートしてほしいくらいです。
自分の身は自分で守る。
学校でもちゃんと教えてあげてください。
インフルエンザ作戦が功を奏したようでよかったです。
実をいうと、七三で失敗するのではないかと危ぶんでいました。いくら中学生でも、何かあったと思う程度の分別はあると思います。それでも成功したのはつむぎの性格故ではないでしょうか。生徒に慕われるよい先生をしているのですね。今度学校の話、聞かせてください。
さて、土曜日まであと二日となってしまいました。
私もクリスマスのイルミネーションとは無縁の人生を歩んできましたので、正直に言うと勝手がわかりません。つむぎがそこまで女子を主張するのなら、私はそれに任せてみたいと思います。
きっと忘れられなくなるような素敵な体験をさせてくれるのでしょう。
ハードルを上げてみます。
楽しみすぎて直前に風邪をひく、なんていうべたな展開は勘弁してくださいね。
ちゃんと手洗いうがいはするように。
片瀬玲
P.S.
実家からミカンが届きました。おすそ分けします。前みたいにドアノブに引っ掛けてあります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます