第20話 手紙2(玲→つむぎ)
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立石つむぎ様へ
お手紙ありがとうございます。
また、LINEで連絡を取ろうとした私への辛辣なダメ出し、もとい、親切なアドバイスにも、重ねてお礼申し上げます。大変勉強になりました。
つむぎと同じで、私も手紙なんてついぞ書いたことありません。
私の国語力の低さは、小説を書いた際に露見してしまったとは思いますが、それでも手紙を寄越せというので、私も文にしてみます。
先週の感謝については、もう十分ありがとうを受け取りました。お腹いっぱいです。ちょっとうざいと思っていたのもかなり本音です。先週の日曜日、すり寄るつむぎに足を出さなかった私を褒めてください。私の理性もやればできる子です。
だからといって、感謝を取引材料にされるのは承服しかねます。いささか卑怯ではないでしょうか?
感謝とは無償の愛だと、町で流れるラブソングも歌っていますよ。
……すみません。適当に言いました。
本題に移りますが、まずはお手紙をいただいて驚いたということを素直に記しておきます。
つむぎがクリスマスに外へ出ようと言ってきたことに、です。
日曜日をいかに怠惰に過ごすかに情熱を傾けていた人の発言とは思えませんでした。てっきり今週末もいつもと同じ日を続けるのかと思っていました。
土曜日の予定については、一考の余地あり、とさせてください。
活動内容が不明瞭だった件に関しましては、不徳の致すところです。ですが、十分なレビューをせず、独断で行き先を決めてしまうのはいかがなものかと思います。
つきましては、一度会談をもち、双方納得する形で決めるのはいかがでしょうか?
お返事お待ちしております。
片瀬玲
P.S.
何度書き直してもビジネスメールのようになってしまいます。次回からは善処します。
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