第9話 看病をしよう

 昨日の土曜日は休日出勤だった。

 製品の品質保証をしている私の部署ではなかなかに珍しい。本来であれば、十分な調査期間をもらい、腰を据えて取り組むべきところなのだが、突然舞い込んできた今回の案件は少々厄介だった。

 うちの製品を数十台導入している大口の顧客のところで納入した製品が一斉に故障したのだ。故障すればラインが止まる。いつもはニコニコしている顧客も、柳眉を上げて怒り顔。営業マンがどうにか数日の猶予を勝ち取って来るも、もはや背水の陣さながらだった。

 短納期での原因調査と修理。金曜はチーム全員十一時まで残って作業したが、原因を特定できず、土曜も出勤。その甲斐あって何とか原因を特定でき、修理の方針と目途が立ったのだった。

 大きな仕事を終えてほっと安堵したからだろうか。凍えるような寒さに震えながら家にたどり着くと、瞬く間に睡魔に襲われ、着替えもせずにそのままベッドに倒れ込んでしまった。

 朝起きて、違和感に気付いた。


 頭が重い……。


 目が冴えてきても視界が定まらず、歩くたびにお寺の鐘を鳴らされたような衝撃が走る。足元はおぼつかず、壁に手をついて歩くのがやっとの状態だった。

 酷く喉が渇いていた。キッチンまで何とかたどり着き、コップに水を入れて一気に飲み干すが、渇きは一向に収まらない。

 水道の蛇口からこぼれる澄んだ液体をしばらく見つめ、あぁ、と悟る。


「風邪ひいちまった……」


 おでこに手を当ててみるも、熱いかどうかなんてわからない。

 そもそも身体全体がコタツの中に入っているようにポカポカしているのだ。掌とおでこの温度差なんてわかるはずもない。

 仕方なしに体温計を探す。洗面台の下にいつも薬を入れているからそこだろうと思って漁るが、出てこない。キッチンの引き出しだろうか? それともテレビ台の引き出しか……。

 散々探し回ったのち、体温計は書斎のペン立てで見つかった。置いたのは間違いなく私だろうが、全然記憶にない。とにかく見つかってよかった。

 脇に挟んでしばらく待つ。ピピピと電子音がするのを待って引き抜くと、液晶画面には『38.7℃』と記されていた。


「うわー……。まじか……」


 身体は丈夫な方ではない。

 年に一度は高熱を出して休むし、熱が下がると喘息のような咳が数週間続くこともある。身体を使う仕事ではないゆえに、鍛え方が足りていない。わかってはいるものの、いざ運動しようと思ってもなかなか行動には移せずにいた。


「まぁいいか。今日は休みだし」


 学生の頃なら逆のことを考えたな、と思って少しおかしくなった。笑った拍子にこめかみに鋭い痛みが走って、顔をしかめつつまたベッドに潜り込む。

 私の周囲でインフルエンザが流行り出したという話は聞いていない。ストレスや偏った食生活が積み重なって、昨日の寒さでやられただけだろう。一日寝れば回復する。

 私は、再びまどろみに身を委ねかけた。

 午前九時。インターフォンが鳴る。


「あー。あー……」


 いいところで現実に引き戻された。

 ほとんど回ってない頭でも、この来訪が誰なのかはすぐに理解できた。


「そうか。今日は日曜日だった……」


 インターフォンの画面では、カメラを覗き込むつむぎの姿が映っていた。

 ベッドに入ってしまい身体が温まり始めている。無視をして眠りに落ちろと本能は告げていた。


「……」


 けれど感情は本能を否定する。いつも同じ時間に来てくれるつむぎを、一方的に無視するのは申し訳ないと。


「スマホは……。あ、そうか。私、つむぎの連絡先知らないや……。くそぅ……」


 枕の下から見つかったスマートフォンを再び放り投げて、大きく息を吐き出した。

 日曜日のこの時間に必ず来てくれるつむぎ。当たり前になりすぎて、連絡先を交換する必要性すら感じていなかった。こういう緊急事態となったとき、身にしみて感じる不便さだ。

 もう一度インターフォンが鳴った。

 お姫様はお待ちかねだ。仕方がない。直接出て、おかえり願おう。

 ベッドから足を出して壁に掴まる。重力が二倍になったように身体が重かった。

 現実感のないフローリングの冷たさを頼りに、どうにか玄関までたどり着く。

 扉を開けると、つむぎが頬を膨らませて腕組をしていた。


「もう! 遅いよ、玲くん! ……って、あれ?」

「よ、つむぎ。すまんが今日は……」

「どうしたの! 顔赤いよ? 熱あるの!? 寝てなきゃダメじゃん!」

「……理不尽なことを言う。お前が呼んだんだろう」


 そんないつものやり取りも頭に響いて辛い。

 つむぎの表情が演技の激おこモードから本当の激おこモードに変わった。


「ほら、さっさとベッドに入って!」

「言われなくてもそうするよ。――って、なんでつむぎまで入って来るんだ。今日の同盟はお休みだぞ」

「病人の意見は聞きません!」


 背中を押されてリビングに戻る。私がベッドに入るまで仁王立ちして見つめ、布団被ったことを確認してようやく眉間の皺を取ってくれた。


「玲くん、マスクある?」

「その、棚の、三段目。――つむぎ?」


 つむぎは私の疑問に答えることなく、棚からマスクを取り出して装着した。


「今日はあたしが看病してあげます」

「いや、帰れよ。うつるぞ?」

「そうなったら玲くんに看病してもらいます」

「自分の面倒くらい自分で看れるって」

「病人の意見は聞きません!」


 頑ななつむぎ。私が起き上がってつむぎを帰そうとするも、逆に強い力でベッドに押し付けられた。押し負けた私は再び布団をかぶせられる。


「くそう。力が出ない……」

「ねぇ玲くん。最後に誰かに甘えたのって、いつ?」

「なんだよ、藪から棒に」

「すぐに思い出せないくらい前なんじゃないかな?」


 澄んだ黒い瞳に見つめられて、私は答えに窮した。

 言われて思い返そうとしたけれど、いくら辿ってもそんな記憶にたどり着かない。

 甘えるなんてまだ物心も付かない子供の頃からしていないかもしれない。


「一人暮らしを始めると、自立しなくちゃっていう思いが強くなって、なんでも自分でやろうとするようになっちゃうんだよね。あたしも結構そういうところある」

「……」

「でも本当は、周りに頼れる人っていっぱいいるんだよ」

「つむぎ」

「今日は特別にあたしに甘えていいから。後でからかったりしないし。玲くんのわがままを許してあげる」


 拒否しようと思えばできたのかもしれない。正常な判断が出来る状態だったら、私は間違いなくその手を振り払っていた。

 でも、熱に浮かされた私の脳は、既に正常な判断ができなくなっていた。

 誰かに頼ることは恥ずかしいこと。

 そんなつまらないプライドが、今日はなぜか働かなかった。


「……嬉しい」


 伸ばされた手にしがみつき、辛うじてそれだけ口にする。久しぶりに触れた人肌は、私よりもずっと冷たくて、柔らかかった。

 私は再び眠りに落ちていく。

 最後に見えた慈愛に満ちたつむぎの表情が、妙に印象的だった。




 次に目を覚ましたのは昼を少し過ぎたころだった。

 猛烈な喉の渇きを覚えて、目を開けるとこめかみが酷く痛んだ。

 視界の端でつむぎが漫画を読んでいた。

 もごもごと動いた布団に気付いて、つむぎが栞を挟んで漫画を閉じる。


「なぁに、玲くん」

「喉、乾いた」

「うん。ちょっと待ってて。今水持って来る」


 ぱたぱたとスリッパを鳴らしてキッチンへと消えていき、少しするとグラスに水を入れて戻ってきた。上半身だけ起こして、グラスを受け取る。一度口を湿らせてから、ぐいぐいと喉を鳴らして一気に飲んだ。


「他には?」

「汗かいた。タオル取って」

「はぁい」


 ニコニコと機嫌よくクローゼットへ向かっていく。いくつか引き出しを開けて、中からタオルを取り出し戻ってきた。


「自分で拭ける?」

「あぁ。それくらいは、できる」


 受け取ったタオルで首元を拭う。


「他には?」

「もうない」

「そっか! じゃあ、もう少し寝よう」


 横になるとつむぎが肩まで布団をかけてくれた。


「お粥作ってあるから、熱下がったら食べようね」

「……」


 なんだかとても胸が痛い。

 情けない、ではない。恥ずかしい、でもない。

 こんな私を労ってくれる。無償で優しさを向けてくれるという行為に、罪悪感が募った。

 優しくされるほど立派な人間ではない。優しくされるほど不幸なわけでもない。優しさを向けるべき人間は私の他にごまんといて、その権利が有限なら、私は辞退すべき人間だ。

 でもその一方で、許しを得たような開放感があった。今まで張りつめていたものが、途端に緊張感を失って、心が際限なく広がっていく。

 つむぎに優しくされるたび、今までの行動が報われたような気がして、温かいものが溶け出していった。


「ちょっと、玲くんっ! どうしたの!? どこか痛いの?」

「へ?」


 気が付くと、私は涙を流していた。

 火照った顔でもわかるほど、頬を伝わる大きな粒は熱い。こぼれる涙を見せたくなくて、スウェットの袖を掴んで目元を擦ったら、反対側の目から雫がこぼれた。


「な、んで……」

「そっかそっか。玲くんは頑張ってたんだね。ずっとずっと、頑張ってたんだね」

「頑張るぐらいで涙なんて……」

「ずっと気を張っていたんだよ。たぶん、自立してからずっと。それが今、ちょっと解けちゃった。頑張った人の勲章だよ」

「つむぎ……」


 悲しい涙ではない。嬉しい涙ではない。

 ただ純粋に、涙を流した。

 感情が整理できていない。私はただ、つむぎの優しい顔を見つめることしかできなかった。


「よしよし。玲くんは頑張った」


 でも、それは全然嫌な感じじゃなくて。

 とても気分がすっきりする、清々しい涙だった。




 社会人になってから、もう五年になる。

 気のいい仲間には出会えたけれど、恋人はできず、誰かを家に入れることはほとんどなかった。

 風邪をひいても自分で車を出して病院へ行き、コンビニでレトルトのお粥を買って、家で安静にしている。お腹が空いたら温めて食べ、もらった薬を飲んで、また静かに眠る。

 一人でこなし、一人でできた。

 他人の助けは必要としなかったし、それぐらい一人でできて当然だと思っていた。

 それが、大人なのだと。

 でも、どうやらそれは勘違いだったみたいだ。

 弱っているなら人を頼る。

 子供でもできている当たり前のことなのに、随分難しくなってしまった。


「あ、目が覚めた」


 薄っすらと広がる視界に、つむぎの顔が映った。

 ベッドのわきに座り込み、スッと掌がかざされる。

 冷たい掌が前髪をかき分け、額に触れる。熱を奪われていく気持ちよさに、私は一度目を閉じた。


「んー、まだ熱いかなぁ。こりゃ明日もお休みだね」

「大丈夫だ。明日も休みだから。昨日の代休で」

「羨ましいなぁ。あたしも、看病でNNDが潰れたからもう一日日曜日くれないかなぁ」

「休んだらどうだ?」


 つむぎは一瞬だけ躊躇したけれど、すぐに首を振った。


「生徒もいるしね。あたし、受け持ち三年生だし、部活もあるし」

「そうか」


 無責任に期待だけさせてしまっただろうか。つむぎの横顔が悲し気に俯いて、申し訳なくなった。


「そうだ。お腹空いてるでしょ? ご飯食べよ?」


 パンと一つ手を合わせると、つむぎは立ち上がってキッチンへと消えた。体温計に手を伸ばし、脇に挟んで熱を測ってみる。『37.6℃』。朝よりはだいぶ引いたが、まだ油断ならない体温だ。


「はぁい。つむぎさん特製たまご粥だよー」


 キッチンから戻ってきたつむぎの手には、お盆に載って湯気を立てる茶碗が一つ。真っ白な白米がグズグズに崩れ、薄黄色の卵と絡まっている。


「おぉ、まともだ」

「ひどっ。玲くん、あたしを何だと思ってるの? お粥ぐらい作れるよ! 失礼しちゃう」


 膝の上にお盆を置かれ、蓮華を片手にお椀を持ち上げると、白い湯気で視界が霞む。嗅覚が久しぶりに反応して、美味しそうだと本能が告げた。


「いつも私が作っているから、つむぎは料理ができないのだと思っていた」

「そんなことないよ。面倒だし一人分って作りにくいからたまにしかやらないけど。冷凍庫のご飯と卵は勝手に使っちゃった」

「美味しそうだ」


 蓮華で掬って、口に入れる。はふはふと息を吐き出しながら、噛みしめると、じんわり胸の内が暖かくなるのを感じた。まだ体調が戻っていないのを考慮してか、具材は卵だけのシンプルなお粥。味付けは塩だけじゃなく、出汁の味が効いていてとても優しい味わいだった。


「うまいな」

「えへへー」


 つむぎの顔に笑顔が咲いた。

 つむぎも自分の分の茶碗を持って来て、ソファーに座りながらお粥を食べる。もしかしたら私が起きるまでお昼を我慢していたのかもしれない。一緒にご飯を食べてくれる相手がいる。たったそれだけの気遣いが、とても心に染みた。


「なんだか今日は感傷的だ」

「弱っていると、そういうこともあるよ。はい、薬。市販のだけど」

「ありがとう」


 受け取って一気に喉の奥へと流し込む。苦い顆粒が喉の奥を流れ落ちていく感覚を意識し、グラスだけつむぎに返した。これで次起きたらもうだいぶ良くなっているだろう。


「今何時だ?」

「んー三時半ってとこ」

「つむぎ、一人で暇だろう」

「ううん。そんなことないよ。玲くんの寝顔見放題だからね。何時間でも暇は潰せる」

「こんな汗まみれの顔を見られてもなぁ」

「いいの。ありのままの玲くんで」


 ほらと言って、再び私は寝かしつけられる。もはや抵抗する気も起きない。今日はもう、この心地よさに身を委ねて、つむぎに任せてしまおう。


「そうか。じゃあありのままついでにもう一つ我儘を言わせてくれ」

「いいよ。何でも言って」


 言葉は、思ったよりもすんなり出てきた。


「手を……繋いでくれないか……」

「あら。甘えん坊さんだね、玲くんは」

「なんだか遠くへ行ってしまいそうで、少し怖くなったんだ。これはきっと、風邪のせいだと思う」

「ホントかなぁ? 気付いてないかもしれないけど、玲くん、だいぶ言葉がしっかりしてきてるよ。もうだいぶ治ったんじゃないかな」


 ふふふと楽しそうに笑う。

 冷たくやわらかな感触が人差し指に触れる。手を伸ばすと呼応するように弾力に包まれた。

 少しだけ汗ばんだつむぎの掌。心臓の鼓動と同じリズムで、親指の腹で優しく叩く。


「つむぎ」

「ん?」

「……ありがとう」


 目を瞑ってはっきりと口にした。

 意識がまどろみに支配される。その直前、頬に暖かな感触を感じた。


「それはお互い様だよ」




 寝苦しさを覚えて目を覚ますと、辺りはもうすっかり暗かった。

 電気もついていない。私はべっちょりとまとわりつく布団を剥がし、ベッドに上半身を起こす。身体の辛さはもう残っていなかった。


「つむぎは、と」


 遠くに目を向けると同時に、すぐ傍で小さな寝息が聞こえてきた。


「寝てるのか。……可愛い寝顔しやがって」


 頬を突くと、整った眉がわずかに険しくなった。赤ちゃんの頬ほど柔らかくはないけれど、ずっと突いていたくなる魅力にあふれた頬っぺただ。


「ん……。んぅ? 玲、くん……?」

「おはよ」

「おはよー。いい朝だねー」

「朝だったらよかったのにな。残念ながらもう夜だ」


 布団から出て、少し身体を動かしてみる。だるさは少し残っているけれど、たぶん寝過ぎたことによる副作用だ。

 シャワーを浴びて服を着替える。目はすっかり覚めてしまって、おそらく今夜は眠れないだろう。潰れてしまった分の日曜日を取り戻そうかと思ったけれど、それはもうNNDではないのだと気付く。

 マスクを外したつむぎを、玄関まで見送りに行く。


「つむぎ、何か好きな食べ物あるか?」

「トマト!」

「トマトか……。もうちょいいいものでいいぞ」

「ナス?」

「夏野菜縛りなのか?」


 今は旬じゃない上に、旬じゃなくてもスーパーで数百円だ。


「じゃあ、聞き方を変えよう。好きなケーキはなんだ?」

「チーズケーキ! ベイクドの方!」

「チーズケーキか……。いいだろう」


 チーズケーキなら、美味しいお店をいくつか知っている。


「いいだろうって? なになに? 玲くんが奢ってくれるの?」

「そういうあさましさを前面に出してくると、あげたくなくなる」

「ひゅーひゅー。つむぎさん、ごさいだから玲くんがなにいってるかわかんないなー」


 唇を突き出して面白い顔をするつむぎに思わず苦笑が漏れた。

 世話になったお礼としては全然足りないかもしれないけれど、少しでも私の感謝が伝わればと思った提案だった。目を輝かせているつむぎを見て、こっそり胸をなでおろす。


「来週だね。楽しみにするからね。あたしは玲くんが考えているのの五倍は期待してるからね!」

「じゃあ、その十倍の品を用意しないとな。……と、そうだ」


 どこのお店で買おうか検索している自分を想像して、はたと思い至った。

 眠る直前、考えていたことがあったんだ。


「つむぎ、すごい今更なんだが」

「なに?」

「連絡先、教えてくれないか?」

「え! あ、うん! そういえば、玲くんのアドレス知らなかった。改まって言われると恥ずかしいものがあるね」

「あ、あぁ。なんか変な気分だ」


 鞄からスマホを取り出したつむぎと、スマホを突き付け合う。ぴろりんと音を立てて登録された『立石たていしつむぎ』の名前に、そういえば苗字も知らなかったと思い至った。

 逆に言えば、私たちの同盟関係は、苗字も連絡先も必要なかったことになる。本当に奇妙な縁だ。今日病気にさえならなければ、つむぎの連絡先を知るのも、まだずっと先だったかもしれない。


「これでいつでも連絡できるね!」

「私はマメに連絡するようなタイプじゃないぞ?」

「あたしも!」


 いえーいとハイタッチを求めるつむぎに、仕方なく答えてやると、嬉しそうにはにかんだ。


「じゃ、また来週。腹ペコで来るから覚悟しておいてよ!」

「はいはい。埋もれるようなチーズケーキを用意しといてやるよ」

「嘘吐いたら、今日の甘えん坊玲くんの動画を、ネットにアップするからね!」

「対価がひどすぎるわ!」


 からかわないって言っていたのに。あれは夢だったのだろうか。

 扉が閉まるまで手を振り続けるつむぎに、私も見えなくなるまで手を振ってやった。

 さて、期せずして来週土曜の予定まで決まってしまった。

 来週は忙しくなりそうだ。

 早く週末が来ないだろうか。

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