第19話 無所属国家《リット》誕生

 森林国から帝国へ向かうキャラバンからの情報でこの村はこれから無所属国家扱いと成るらしい事を知った。

 そもそも無所属国家とは何ぞ?との質問に対してキャラバンの情報担当者から本来は帝国所属予定の僻地ダンジョンに対する防衛監視開拓地だったのだが王国が反発、「かの地に居るエリック・リットは王国の反逆者でありダンジョンコアも王国の秘宝である可能性が高いと言うか王国のモノである、依って王国の秘宝で出来たダンジョンは王国のモノであり帝国が接収するのは国際法における国宝簒奪に当たる、よって出来ている開拓地は王国が接収する」と言い始める始末、森林国と帝国の摂政は白けながら「ダンジョンが存在し探索ギルドが動いているので所属国が無い無所属国家扱いで宜しいか?接収するのはかまわないが軍を動かしてスタンピートを起こすと王国の仕業と為るが?」

 「無論、スタンピート対策は心得ているが王国反逆罪のリットがスタンピートを逆手に起こす事も考えられる為にその責任は王国に有るとは言えないスタンピート対策法に基づきダンジョンに送り込む部隊も探索ギルド規定の6人パーティー×6グループを上限としよう、開拓地の住民も王国に反意が無ければ問題は無い、反逆罪のリットは別だが」

 と言ったやり取りでこの村は無所属国家扱いと為ったらしい、無所属国家と為ったので帝国に年間税の支払い義務は無くなった、代わりに国の維持費も自分で徴収してやりくりしないといけない為に税金の設定をキャラバンの責任者と打ち合わせをしておく、まあこんな危険地帯に来るのはキャラバンか冒険者・探索者ギルドの関係者だけだろうし足りないモノも多いので入国税は保証金銀貨1枚、逗留税は1日大銅貨1枚徴収と設定、コボルト達は住民登録だけで今は良いだろう、コボルト達は現在外貨の収得方法がほぼ無いし物々交換で生活しているので現金収入は宿屋(国営?)だけ、食材も資材もダンジョンから無尽蔵に得られるし国内総生産GDP100%で完結しているから欲しい物は酒や珍味等の嗜好品又は魔道具等の特殊加工品ぐらいで、例え軍隊に包囲陣を組まれても内部完結しているから兵糧攻めは意味がないし、強固なゴーレム壁(3メートル級)で村を囲って居るので締め出しだけで無敗じゃあ無いかな?荒野で陣地作ったらモンスターに絶えず襲われるしむしろ荒野を軍隊が行軍するだけでも危険だしね

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