第16話 おいでよ!コボルト村

 コボルト達が居着き、ある程度の村と言った体裁が出来た所に帝国から森林国へ向かうキャラバンが補給の為に此処に訪れた。

 キャラバンは帝国でこちらの事はある程度耳にしていたらしく、住居を構える事の出来る環境が有った事に驚き、貴重で豊富な水源を喜んでいた、帝国から森林国の区間で安全性・安心感の持てる中継地が出来るのはキャラバンにとって非常に重要な事なのである。

 又、キャラバンには帝国と森林国の探窟者ギルドへダンジョン発見の報告書を届けて貰う事にする、これはダンジョン発見の基本的な手続きであり帝国や森林国等の国家群へ国家の庇護を受けるかどうかは別に拠点都市・・登録する上での必要事項だからだ、因みに冒険者ギルドも探窟者ギルドも国家不可侵ギルドとされているギルドで、両方のギルドは世界中の国家に必ず存在する組織であり謎の通信ネットワークを保有する、世界情勢を知りたければどちらかのギルドに行けば知ることができる、有料だけど、基本的に冒険者ギルドはフィールドワーク系職業斡旋所、探窟者ギルドはダンジョンワーク系職業斡旋所と分類されている。

 今回はダンジョン発見の報告なので探窟者ギルドに報告書の提出が出来たがこれは良い利点でもある、ダンジョン発見に探窟者ギルドが動き、最低2国家の承認が得られれば《ダンジョン都市》として認められ、《国家間戦闘不能都市》と世界中のギルドに通達される為である。

 《国家間戦闘不能都市》とは?其は探窟者ギルドで定められた世界協定でダンジョンからの魔物氾濫災害スタンピート防止協定と言われている。

 なので認定されれば例え王国に自分の所在地がバレても、と言うか認定されれば確定でバレるんだが、王国が国軍や私兵を引き連れては来れなくなる、なぜなら地球で言う所の『中国とロシアの国境でアメリカが核ミサイル実験を世界中に配信しながら行う暴挙』レベルの事だからだ、王国の上層部もそこまで頭の悪い事はしないであろう、一部のちょっとアレな貴族は来そうだけど・・・

 一応ギルド登録する際の一時的な都市名は『仮称・コボルト村』として措こう。

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