9:古の記録
天野:大きい仮面だ……ちょっと重たそうだけど、ずっとつけてるんだろうか?
乙梨:か、カッコいい…!とんがりだよ!
八重間:ちょっとした凶器だよな。ほら、背が低い奴が前に立っただけで刺さりそうな絶妙な位置じゃねーか。
ヨアヒム:(………年齢のせいでしょうか。誰1人ローブやこの身体には見向きもしませぬな)
乙梨:……ね、おじさん!仮面外して!どうなってるのか見てみたい!
天野:あ、俺も見たいです。(良ければ触りたいな…)
八重間:(思った以上に二人が食いついている……確かに物珍しいけど、そこまでか?)
ヨアヒム:ほっほっほ。では特別に外してみましょうか……(随分、好奇心旺盛なのですね。若人はこれくらいが丁度良いと申しますし)
(外された仮面で彼等は一際盛り上がっているようだ)
神是:……中2病というやつか。
一ノ瀬:ははは、樹は卒業済みって訳かい?どう、経験者としては。
神是:……勝手に経験者として決め付けるな。俺は戦闘に特化した意匠が好みだった。
一ノ瀬:ああ……なるほどね。鎧兜とか武器の類いでしょ?
神是:刃物類は目がなかった。木の棒を見立てるのが多かったっけな。
一ノ瀬:それが今に活きてるんだから、何が役立つか分からないもんだね。
神是:確かに。全うな人生ならただの黒歴史だったが………
一ノ瀬:(全うな人生、か。若くして形式上死亡してるんだ、よく受け入れてくれたよ……)
神是:……一ノ瀬には、生前あんな経験があるのか?
一ノ瀬:さぁ。昔過ぎて忘れちゃったな。自分の年齢すら覚えてないからさ。
(それにしても、あの服の中に手を突っ込んだらどうなるんだろう。空洞にしか見えないから触れないんだろうけど………)
ヨアヒム:(あの方も、妖怪なのですか。先程の方と違って……随分積極的ですな)
ヨアヒムの秘密 限前零 @rieru_sai
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。