4th:わんこ君(仮)

狼:…………?(お前は、人間か?お前からは…生き物の臭いがしない…)


(狼は臭いを嗅ぐと、そっと身体をすり寄せた。ヨアヒムの身体からは、僅かな温もりすら感じ取ることは出来なかった)


キモナシ:………へぇ。面白いね?(実体のない幽霊、とでも形容すべきなんだろう。生前はさぞかし強い念を持ってたんだろうな……。妖の僕でも、初めて見たよ)


ヨアヒム:(動物と妖怪……ヒトには見えぬ本質を覚る力があると伺いますが…いやはや、参りましたな)


キモナシ:ね、わんこ君。あの人の身体に触れたんでしょ、どんな感じ?


狼:(お前の身体と同じくらい、冷気を帯びている。既に死んでるのか?)


キモナシ:………うーん、そうかもね。(つまり、実体に触感はあるのか…ますます不思議な子だね)

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