第7話 美少女とお風呂で二人きりで困っています!
「始めるって何を?」
「恋人らしいことよ」
恋人らしいことってまさか、お風呂でのえ……!?(良心の呵責により一部割愛)
ダメ! ダメだよ優衣!
君はまだ中学生! 子供なんだ!
こんな事をするのはまだ君には早い!
僕がそう頭の中で叫んでいる間にも、優衣は僕に背を向けた状態で湯船に入る!
「ちょっと待って……」
僕の悲痛な願いも優衣には届かず、彼女は躊躇なく僕の太ももに座り込み、小さな背中を僕の胸に密着させた!
元々水に浸かって脆くなっていた『理性』が、優衣の背中に押しつぶされて粉々に砕け散った。
邪魔な『理性』が無くなって暴走を始めた《僕》が立ち上がり、優衣に襲いかかる!
僕は急いで『理性の欠片』をかき集め、《僕》を抑え込んだ。
「はあ……はあ……はあ……」
「ちょっと、私の腰のあたりにある、固くて大きいものをどけてくれない?」
「こ、これはどけられないよ! くっついているから!」
「なら取ってあげようか?」
「!? やめて!」
あわわわ………………優衣は何て恐ろしい事を言うんだ。
てか、コレがこうなった原因は優衣でしょ?
こうなるのが嫌なら、そのふっくらとしたキュートなお尻を僕に押し付けないで!
そんなことするから、こうなるんだよ!
「と、とにかく! 僕は先にあがるよ」
「あっ! ちょとっ!」
僕は力ずくで立ち上がり、浴室を飛び出した。
逃げるが勝ちだ!
棚からバスタオルを手に取って腰に巻き、洗面所から脱出………………できない!?
し、しまった。
つっかえ棒が邪魔で扉が開かない。
「もう! 濡れたままお風呂を飛び出したら風邪ひくわよ」
は、早く逃げないと!
つっかえ棒をどけたかったが、しかっり挟まってしまっていて取れない!
「諦めて、こっちに来なさい! 私は背中を洗ってあげたいだけだわ」
「………………」
本当にそれだけかな?
他のこともされそうな気がするけど………………
背中を洗ってもらうだけなら大丈夫だろう。
「じゃあ、お願いするよ」
僕は浴室に戻り、椅子に座る。
何をされるか少しではなく心配だったが、普通に石鹸を手に取る優衣を見て少し安心した。
そして、僕の背中を洗い始めた。
体重をかけ、力を込めて。
「痛いよ! もっと力を脱いて! 優しくして!」
「え? 全然力を入れてないわよ」
「本当に?」
僕は振り返って優衣に疑いの眼差しを向ける。
その時に胸と、その下がバッチリと見えてしまったが、それよりも驚く事があったので、目線を反らすのも忘れて優衣を見つめてしまった。
そう。
あろうことか優衣は、体を洗うためのタオルではなく、浴槽を洗うためのスポンジで僕を洗っていたのだ。
「それが何か知ってるの?」
「バカにしないでほしいわね。これはスポンジ。お風呂を洗うためのスポンジでしょ?」
「知っていたんだ…………。ならなぜそれで僕を洗うの?」
「面白いからに決まっているじゃない?」
こ、このやろう!
僕はもう怒ったぞ!
された事と同じことを優衣にしたいのだが、流石に女の子の背中をスポンジでこするほど、僕は酷い奴ではない。
なので一言、
「君は男の子(の体形)と瓜二つだね」
と言っただけで許してあげる事にした。
すると、
ボガッ!
優衣に背中を思いっ切り殴られた。
「言い忘れていたけど、私、そーいう事言われたら殴るわよ」
もうちょっと早く言ってほしかったな。
言われなくてもそのくらい分かれ。という説も有力なのだが…………
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