第101話

「そういえば…どこへこの神器を納めに行くんだ?」


「儀式はこの国で行いましたが…龍達を祭っているのは氷の国です」


「そっか…ってすぐにはいけないだろそれ」


普通に馬車で行くと3日以上かかる


「いえ…馬車で行くわけではございませんので」



そういって式神を取り出して騎獣に変化させた


「そういえばお前等そういう術が使えたんだったな」



「えぇ…クロードはザクを載せて頂戴」


「かしこまりました」


「ザクも連れていくのか?」

「ザクはもう鬼族に属すると思ってください…妹さんのために極力こちら側で生活させますが…」


「ザクが納得しているならいいが」


「俺がお嬢さんに意見することはないですから」



「さて行きますよ」


騎獣に私とユノが乗ると空へ飛びあがった




私の腰に手を回しているユノに言う



「これが終わったら子を作りましょうか?」



「お前な…それ絶対に死ぬ奴だからやめろ」




「ふふっ…」



雲の裂け目から太陽が見えたが少し寒い



「大丈夫か?」



「何が?」



「いや震えてるから寒いのかなって」



「大丈夫よ、寒いのは上空だからでしょ」



「それもそうか…」



「…光と影のご加護を賜らん…」


「ここで詠唱するな!」


気持ち程度の温もりが騎獣を包んだ



「ま、この程度か」



「力の無駄遣いで後でへばってもしらねぇぞ」




それからしばらくすると国境の山脈が見えてくる



「本当早いな…最初から騎獣でくれば苦労しなかっただろう?」




「鬼の国から騎獣に乗って越えるのと人間の国から国境を越えるのとは違うのよ大軍引き連れて逃げ込んだりしたら婚約どころではない」




「あそっかアナと同じように式神使えるやつは他にも居るもんな」





「そういう事」










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