第100話

「顔を真っ赤にしたユノ王子が呼びにこられましたけれど、あまりからかわないであげてくださいね。レイス王子と違って女慣れしてないですから」



「でも、ユノ王子に今まで縁談くらいあったと思うのだけれど」



「いえいえ、アナスタシア様が初めてです。陛下が縁談になる前に止めていたのだと思いますわ」




なるほど、初めから陛下は私達を婚約させるつもりだったのか



そこは読みきれなかったと陛下の一枚上手の作戦に私はまんまとはまったわけだ




「…そうなんですね」



「アナスタシア様?」



「いえ、私が初めてだとしたら…少し気の毒なことをしてしまいました少し反省しております…」


私はからかいすぎたことを少し落ち込む

「ユノ王子はそれくらいじゃ怒りませんから大丈夫ですよ!」



「俺がどうかしたのか?」



「ユノ王子!少しの間席を外します!アナスタシア様をお願いしますね!!」



「お、おう?」



きょとんとしているユノの横をそそくさと退散するミモザが通り過ぎた




「ミモザの奴なんなんだ?」


「…ユノ…あの…」



「どうした?アナ」



「先ほどは…少しふざけすぎて申し訳ありま…っちょユノ!!」

先ほどの事を謝ろうとしたらユノが私の頬をべたべた触ってきてそれどころではない


…私が謝ってるときに頬に触れないでほしい




「俺だけドキドキするのは不公平だと思って」


「えっ…あの…」


ユノから顔が近づいてきて唇を奪われた



「いつもされてばかりだと思うなよ」



私の口の中にユノの舌が滑り込まれ息ができない



「ふっ…んんんっ」



「息をしろよ」


「だ、だって…」

言い訳も聞かないとばかりにキスを続けられ立っていられなくなった


「…お、おいっ」

ユノに寄り掛かり私はつぶやく



「…も…むり…です」



「…ったく。そんなんじゃこの先大変だな」



「この…先っ!?」

この先この人といずれ子を成すのだろう…



「お手柔らかに…できればゆっくりで」



「なるべく善処する」

そうして朝の会話は終了した




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