もっと近くに近づけたら…

第99話

目を開けるとユノが私を抱きしめていた


「アナ!!?よかった目が覚めて…」



「おはようユノ…」



そういって私はユノの唇を奪った



「ちょっ…寝ぼけてるのか!?」



顔を赤くして離れようとするが鬼族の腕力には勝てないらしい


「ふふっ。かわいいですねユノ」



「あーもうっ!うなされてるか心配したんだぞ。目が覚めたらこれだよ」



「そんなにうなされていたかしら」

少しとぼけて見せるとデコピンを食らった

「とぼけるなって何の夢を見ていたのかくらい教えろ」



先ほどの龍たちの会話を思い返すが大したことではない


「…秘密」



「秘密ってお前…」



「何でもないから心配しないで…もう朝かしら?」



起き上がるとユノをじっと見つめた


「な、何だよ」


「着替えるから出てほしいのだけれど、それとも手伝ってくれるのかしら?」



「…そういう事なら早く言えよ!ミモザ呼んでくるから」

ユノが慌てて出て行った姿を見て思わず笑ってしまった


「ふふっ、本当。私には勿体ないですね」



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