龍達との対話
第98話
それで我々を抑え込んでいるつもりか?アナスタシア…いやティナ=テンペスタ
赤い龍がこちらを睨んでいる
「抑え込んでいるつもりはございません。私はただ国民のために目覚めてほしくないだけでございます」
それを聞いた青い龍が鼻で笑っている
口では何とでもいうが、お主とて、裏切られてばかりの人生だったろうが
「そうですね。アナスタシア以外は敵…と思っています」
ならばなぜ我らにたてつく…?何者にも望まれなかった其方がせめて自刃することもできたはずだろうが
「ですが私はアナスタシアという女王を生み出すためだけの飾り自害することすら望まれていなかったというだけです」
たとえ、我々を抑え込んで世界を平和にしたという功績を作ってもそれはティナではなくアナスタシアの手柄になることを
「私は名を刻みたいわけでも女王になりたかったわけでもない」
…何故女王になった?
緑龍はこちらに理由を聞いた
「それは貴方達には関係のない話です」
言えぬのか?
緑龍が静かにこちらを睨んでいる
心臓が締め付けられそうな感覚に陥り膝をつく
落ち着けここは意識の世界だ。
「…っ!…言わないといけませんか?理由がなければ女王になってはいけませんか?」
大丈夫。彼らは私が…
…ナ…アナ!!…アナスタシア!!起きろ!
時間切れのようだな。最後に問う…我らを完全に抑え込んで封じたとしても其方の先祖が受けた呪いは完全に消えぬ…人間には戻れぬのだぞ
「もとより私は鬼族。人間でなくても不自由しない」
そういってその場を立ち去った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます