第97話


神器をはめる窪みが二つあり其処に神器を置くと神器の輝きが増した

「…影と光に祈りを捧げましょう」




「光の巫女ユノ=クラウスと影の巫女アナスタシア=テンペスタの絆をここに示せ。魔を払う光のごとく薙ぎ払い。すべての光を吸収し力を解放せよ!」


力を吸い取られるような感覚になり膝をつくとユノが支えてくれる


「…俺も一緒だから」



「えぇ、信じていますよ」


とてつもない光に包まれたかと思えば音が全く聞こえなくなっていった



パリンと結界の壊れるような音がし、二人が外に弾かれると二人に駆け寄る側近たちがいた



「ユノ王子ご無事ですか!?」

「俺は…平気だが…アナは?」


傍に手をつないだまま意識がなく横たわるアナの姿があった

「アナッ…!しっかりしろ!」



「中で何があったのですか?結界の中は何も見えなくて…」


「外からは何も見えなかったのか」



「…姫様!しっかりしてください!」

クロードの手により背中を軽く叩かれ血を吐き出した


「…ゲホッゲホッ」






「お、おいお前血が」



「少し無理をしすぎましたね…。明日はこの剣を所定の位置に納めに行きましょう…ね」


アナスタシアは言葉の途中で気を失った



「大丈夫です。少し疲れているだけです。部屋まで運びましょう」

クロードが彼女を持ち上げようとするのをユノは止めた


「いや俺が運ぶ」


「そうですか…ではお願いします。私は薬を持ってまいりますので」



「あぁ」




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