氷の国への帰還

第102話

「着いたわよ」



「ここが氷の…ってかさむっ!」


加護が切れた瞬間ユノが叫んだ


「姫様防寒着お持ちしました」


クロードが大きめの防寒着を持ってきたが私は首を振った

「私はいいからユノにあげて」


防寒着を受け取ったユノがこちらに近づくとそっとつぶやいた

「お前はいいのかよ」



「慣れてますから…あ、そうそうユノに預けていた薬返してくださる?あれがないと気合入らないわ」



「薬に頼らないといけない事なのか?」



「薬に頼らなければいけないほどここは危険な場所です」

聞き覚えのある声が後ろから聞こえて振り返った

「リアン!」


「やあ姉さん、無事でよかったよ」



リアンに引きずられるように前に出されたのは私を連れ去る計画を立てていた大臣達だった




「あ、あぁっ!?アナスタシア様!?」


大臣たちは無事な私を見ると酷く怯えきっていた

リアンにこっ酷く絞られたのだろう


「姉さんが居なくなってから吹雪が酷くなってこっちは大変だったんだ」


「あなた方が勝手をした結果どうなったかこれで分かりましたね?」


「吹雪を止めてくださいませ…アナスタシア女王陛下!部下たちを助けてくださいませ!」



「あなた方の処分については折って連絡する。今は儀式の祭壇へ向かう」



「はっ!」






「随分と怯えていたな、そんなにアナが怖がられていたのか?」


「それもあるだろうけど…リアンが私以上に飼いならしてくれたのかしら?」


「ふふっ僕のおかげで首がつながっているくらいだから感謝されてもいいと思うんだけどなー」


「なぁ…リアンってまさか」


「姉さんに鍛えられて性格も毒舌もすっかり曲がってしまったね」



「あらやだ、私のおかげで貴方を強くできたのよ」



「…このドS姉弟…」



「ふふっ何か言いましたか?ユノ王子?」



私がユノを見ると青い顔をして首を振っていた



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