第56話
糾弾され、反論することもないアナスタシアに俺はいら立ちを覚えた
「構いませんよ。それを知った上で貴方がどう行動するかについても罪に問うことは致しませんから」
「約束だからな」
「取引成立ですね」
そういうと彼女はにっこり笑う
本当にあの冷血なアナスタシアだろうか
「じゃあな三日後まで死ぬなよ」
「クロードにはあっていかないのですか?」
「あいつとはもう兄弟ではない。会う理由はない」
「そうですか。では報告お待ちしてますわ」
そういった彼女がどこか寂しそうだったのは気のせいじゃないだろう
「あいつがティナ以外のことで気を遣う奴だったか?」
銀髪、赤目それに容姿どれをとっても彼女たちは似ていた
彼女が笑うことを覚えたならティナと間違えられてもおかしくはない
その逆もまた同じだ
術を掛けた烏の式神を空へ飛ばした
『ティナも望んでいただろうから』
彼女の言葉はまるで己に言い聞かせるように言っているようにも聞こえた
「レオン様。姫様とはもうお会いになられましたでしょうか?」
「クロード、数年会っていないとはいえアナスタシアの容姿が変わってないがまさかあの薬を使っているのか?」
「えぇ、数日前まではあの薬を使っていました。体が成長できていないのもそれのせいでしょう」
「数日前?あぁ、襲われたときか?」
「いえ、予備を私が姫様にお渡ししておいたのでその後かと」
「あれはすぐ止めれる薬じゃないだろう?確かに体の成長は止まるが肉体強化、精神強化に優れている…が依存性は高いはずだ」
「ユノ王子にそのままでいいといわれたからでしょうね」
ユノ王子?ついこの間あったばかりのそんな奴が簡単に心を許せる相手なのか?
「は?」
「いえ、口が滑りました忘れてください」
「ふんっ依存性がそう簡単に治るとは思えない薬に頼っているような奴に女王は務まらんぞ」
アナスタシアのクロード招集の指笛が聞こえた
「姫様に私も呼ばれているのでこれで失礼いたします」
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