第53話

「そ、そうか…悪い」



「謝らないでください。ユノ王子は何も悪くはありません。」


「顔色が優れないようだな。もう少し横になっていろ」



「えっ?えっ!?」



さも当然のように横抱きにされベッドへ運ばれた


「…言っておくが、4日後には婚約のお披露目がある。そこでお前が俺か兄上か選んでもらう必要がある。だから元気になってもらわねば困るのだ」


「存じております」

最初第二王子かと思ったのだけれど、王位を継ぐとなれば貴方の兄様も黙ってはいなかったのだろうと私はつぶやいた



その返答にすまないと申し訳なさそうに視線を下げるが私は首を振る

「貴方が謝ることなど一つもありませんわ」


「お休み、アナスタシア」



バタンっとユノが部屋を出る



瞳を閉じたまま私は口を開いた




「クロード」


「はい姫様」



「ここの守りを手厚くしておくようにお願いしますね」



「承りました」



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