第52話

「主従関係はあれど彼が妹同然にかわいがってくれたティナがある日突然死んで実権を握ったアナスタシアが実は死んだはずのティナなんて受け入れられると思う?」




「それは…話せばわかってくれるんじゃないか?」




「確かに話せばわかってくれるでしょう。ですが婚約者になったのは病気で死んだはずのレオン。それを名乗っているソマリとティナこれ以上話をややこしくするのはどうかと思う」



レオンとティナは生まれながらにして婚約者として契約していた

ソマリとは分家の者として身分の差ということで主従契約している


契約の大本である婚約者が亡くなったことで契約は解消されたと思ったが

数か月後大臣が養子をとったとのことで契約が続行されていた




その頃の私は病弱で周囲の変化が分からず身動きすらできない状態でソマリと別れをしたのだ





「過去をほじくり返すのは…やめてくださいませ」


それは鉄の仮面から見せることもなかったアナスタシアの本音だった





「アナ…」


「い、いえ…今の発言は忘れてくださいませ」





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