第22話
「どうしてだ!?どうしてあの薬に手を出した?あの薬は二度と太陽の光を見れないんだぞ!?」
ヴァンパイアになったものは太陽の下へ出ることは叶わない
出たら最後、その体が燃え尽きるまで太陽の熱に焼かれてしまうのだ
「…金を積まれたからだ。氷の女王を殺せと」
男は金を積まれたというが…私は納得がいかない
「嘘ですよね?それ」
「えっ?どういう事だ?」
「私は人の嘘がよくわかります。経験上仕方ないが、それよりもここに来た時は銀髪の少女を保護したとしか伝えてない」
「確かにそうだ。父上以外に外部の人間はコイツが女王とは話していない」
「となれば話せない事情があり、かつ私の事を消そうとした人物がいる」
「氷の奴等か!?」
「えぇ、ヴァンパイアと繋がりのある者が私が居ない事を知り追って来たのでしょう」
「本当の事を話せ。こいつには生半可な嘘じゃ騙せないぞ」
「ぐっ」
「肉親者か親しい友人が囚われてるのですね」
「ど、どうして!?」
「貴方の悪意は私の知っているそれと違って綺麗すぎる」
「二日前だ連絡があって…妹が捕まっている。」
「お前が辞表を出したのもその日だな」
「ここを離れた後その後助けに行ったんだ…だが俺は奴らに捕まって…今日薬を飲んでここへ女王を殺すか妹を見殺すかと言われ薬を飲んだ」
「…人からヴァンパイアになってしまったものを元の人へ戻す方法はない」
「…ぐっ」
「このまま貴方が捕まれば妹さんは助かりませんね。かといって貴方を見逃すわけにはいかない…さて」
「すごい物音がしたのですがユノ王子ご無事ですか!?」
「遅いぞイアン。アナ、お前の知ってる情報でこいつの妹を救う方法はないのか?」
「ふふっ察しがいいですね。一応無くはないですが、その場合その男は咎を受けることにはなりますよ。一応氷の女王に手を出したのですし」
「妹が助かるなら、俺は死んでも―」
「死んでもいいなんて言わないでくださいね。妹さんが悲しむわ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます