第21話

「避けれますし」


「弓矢じゃなくて弾丸だったらどうするつもりだったんだ!?」


「私を殺す気なら銀製を持ってくるべきでしたね」


「そういう問題じゃない!俺はお前を心配して」


「心配してくださるのですか?」


「当たり前だろ!お前はこ、婚約者だから」




「…」


「もしかして心配された事ない?」


「私の心配してくれる方なんてもういないですし」


「それは悪い事聞いたな。何かあれば言ってくれ」


「では、お言葉に甘えてここにきてからずっと誰かに見られている気がする。敵意のような悪意を感じる」



「それはお前を攻撃した何者か?」



「いえそこまでは…、そこに居るのは誰?」



「ん?どうした?」



「おとなしく出てくれば手荒なことはしません。逃げても無駄です。この部屋からは出られませんよ」


その声でハッタリじゃないと気付いたのか慌てて逃げようとしたようでバチバチと音を立てて天井から音がした



「本当に誰かいるのか!?」



「仕方ありませんね」



そういって私は懐から短剣を数本取り出し音がした方へ投げた



「ぐっ!?」



突き刺した天井がひび割れを起こしドサッと上にいた人物を落とした



「先ほど狙ってきたのも貴方ですね…」



「お、お前は…ザク…っ!?辞めたはずなのにどうしてここに」




「…」



「何か事情がおありのようですけど、命を狙われる筋合いはありません」


「やめろ!」

そういって近づくとユノは止めた

一瞬動きが止まった瞬間足元に落ちていた私の短剣を拾い男から返ってきた


「…っ」

少しよろめき膝をつく

「おい、アナっ!?大丈夫…なのか」




「イタタタ…いくら呪術師で体中に防御壁張ってるからって剣で刺されると私も痛いんだけどさ」


「防御壁…ていうか血は!?」


「何の対策もしないで自分の弱点になるようなものは投げないよ。あれは普通の剣、鋼でできてるから私の傷は直ぐに治癒する」



そういって破れた服をめくるとユノは驚きを隠せないでいた



「そして、君さっき確かに落っこちた時多少なりとも手で防いだよね?どうして傷ないの?」



「…まさか…吸血鬼…!?」



「ぐっ…」

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