第2話 寒くてもアイスは食いてぇ!

「ぶぇっくしょぉぉん!!あー、さみーさみーけどアイス食いてぇ」

どデカいくしゃみをしながらそう言ったのはリビングでくつろぐ公園議員だった。


「アイス食いてぇってくしゃみしてるじゃねえかジジイ」

中古車雑誌をみながら公園議員にそう返したのはいちろくだった


「寒くてもアイスは別だろ、誰か同意してくれる人ー」

公園がそう問いながら手を上げる


「はーいはーいー!食べたーい」

手を挙げたのは幻魔堂の家政婦 茶和田さんと食後の皿を下げるのを手伝っていた左中太だった


「お、さー坊、わかってんじゃねぇか。買ってきてくれよ」


「おいおっさん、誰パシッてんだ、この野郎」

公園の発言に異議したのはもう既にパジャマ姿の花村だった


「なんだ、栞ちゃん買ってきてくれんのか?」


「パ、パジャマに着替えたしもうお風呂入っちゃったし…」

困った顔で花村が天井を見る


「では、私が行ってきます」

そう言ったのはまだスーツ姿のサキだった


「お、助かるぜ、なら俺、モナカアイスなー」


そう言いながら公園がサキに1万円を持たす


「他の皆さんは何に致しますか?」


サキはスマホのメモ機能で皆のリクエストをメモった

「では…」

サキが玄関に向かいながらそう言った時

「あーさちゅも行くー」


もう上着を羽織った左中太が小走りで追ってきた


「え、でも……」

サキが少し戸惑う


時間はもう既に夜の10時サキは夜が遅いから心配したのだろう


「いいじゃねぇか連れてってやれよ、お前が行くなら守れるだろ」


「わ、わかりました」

公園にそう言われサキは頷いた


外は結構寒かった


「じゃ左中太ちゃん、手繋ごっか」

サキが左中太に手を差し出す


左中太は手を握り、サキに言った


「さちゅでいいよーサキさん!」


満面の笑みでそう言われサキは顔が赤くなる

か、可愛い、なんて天使なんだろう

普段、おっさんしか見ていないせいだろうかめちゃめちゃ可愛い


2人で手を繋ぎコンビニまで歩く


「サキさんはゆーじの事好きなの?」

左中太がサキに聞いた


「んー、大嫌いだよ?スケジュール守ってくれないし、変な発言しちゃうし、頑固だし」

笑いながらサキがそう返す


「でも、命かけて守ってるんだ?」

サキを見上げながら左中太が言う


「そ、そうだね、それが私の仕事だから、かな?」

子供ながらなかなか鋭い所をつく質問に少し焦りながらサキが返す


そうこうしているうちに暗い夜道にコンビニの光が差し込む


中に入り、サキは手を離す


サキがカゴをとりメモをみながらアイスをカゴに入れる


「さちゅはこれー」


横から左中太がぜんざいを入れる


「え、さちゅちゃんこれ食べるの?」


「うん!ぜんざい好きなんだ!でもね!一ノ瀬ちゃんが作るぜんざいもっともーっと美味しんだよー!」


「へー、一ノ瀬さんなんでも作れるんだね」



会計を終わらせ屋敷に帰る



「ただいまー!!」


左中太が勢いよく玄関の扉を開ける

そのままリビングに駆けていった


「お、さー坊帰ってきたか、サキ姉ちゃん守ってくれたか?」


いつの間にかパジャマに着替えていた公園が迎える


「何も無いよー」

左中太がそう返す


「ただいま帰りました」

アイスの入ったレジ袋をテーブルに置き、サキがそう言う


「先生、これお釣りです」

レジ袋を探る公園に渡した


公園は受け取ると


「さー坊、これお駄賃だ」


左中太の手に握らせる


「え、8000円も?」


サキが驚く


「え、ゆーじいいのー?こんなにいっぱいー?」


「いいんだよ、とっとけ、さー坊の好きなことに使えよ」


「わーい!ありがとうー」


左中太はお金を握ったまま、椅子に座りパソコンで仕事をしていた浜田の所へ行った


「あら、さちゅ、そんな大金どうしたの?」


「ゆーじにね、お駄賃でもらったんだー愛さんさちゅの財布に入れといてー」


「よかったわね、わかった。入れとくね」



「先生よろしいのですか?」


「ん?いいんだよ、さー坊には結構お駄賃やってるしな」


サキと公園が話している時に左中太がちょうど帰ってきた


モナカアイスをかじる、公園の太ももの上に座り、左中太がぜんざいを食べ始める


「左中太ー、おしりが荒れるぞー」

そう横から声をかけたのはサキから受けとったアイスを食べてる、花村だった


「さちゅはぜんざい食べる時はゆーじの上って決めてるんだもんー」


「さー坊はよくわかってんなーどっかの頭の固い便利屋とは違うなー」

公園が花村を見ながら返す




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