第1話 ドS

行ったのか行ってないのか私はそれを聞いている

公園議員、答をお願いします


「せやから、さっきから言うてるやろ。行ってへんて、ほんであんたらその店調べたんか?そこのSMクラブお客さんがMの店や。俺はなぁ生まれてからずっと生粋のSなんやぁ。」



花村は依頼書に目を通しながらテレビで議会中継を見ていた

「Sだったんだ」


そこですか!!?議会ではあのような発言はいかがなものだと思いますが

花村の呟きにツッコミを入れたのは花村の助手の凛だ


「そうかな?でもなんで、公園のおっちゃんにあんなにアンチがいるかわかる?」

まだ湯気のたっている、紅茶を飲みながら花村が聞いた


他の議員は公園さんが、羨ましいのでしょう

有権者からはとても人気

政策も評判がいい

ということですね


「それは凛ちゃんの考えだから私はなんとも言えない」


素直じゃない人だ、栞さんも普段あの人に冷たいけど実は応援してるんだ

凛はそう思ったが口にはしなかった。



コンコン


どうぞ。

凛がそう言うと扉はゆっくり開きおぼんの上のティーカップを見つめながら慎重に歩く左中太が入ってきた


「左中太どうしたー、」

花村がいつもは見せない笑顔と声で出迎える


「栞さんに飲んでもらおうと思っていれてきたんだ!

一ノ瀬ちゃんにいれ方教えて貰ってね!」


「私の為に!?嬉しいなぁ、早速頂くね。」

カップを受け取り、1口飲むと、テーブルに置き、左中太に頬ずりをして抱きしめていた


さっき飲んでたばっかりなのに、ったくこの人は左中太ちゃんにはあまい

凛はそう思いながら先程飲んでいたカップを持ち部屋を出た


「依頼受けるやつ決まったから後で連絡するね」

背中で花村の声を聞きながら下に降りた



ちょうど玄関の前を通った時、扉が開き

荷物を沢山抱えた、沙緒梨さんが帰ってきた

「おかえりなさい、すごい荷物ですね。」

と声をかける


いやぁ、期末テストの丸つけ終わんなくて、持ち帰りになっちゃった


沙緒梨さんは高校の先生だ。

よく夜も遅くまで授業の準備やらをしている


凛が沙緒梨さんと話していると外で車の音が聞こえた

彼だ、彼が帰ってきた


「ただいま帰りましたぁ、お腹すいたァ」

ドSの公園議員だ。

お疲れ様です。横で公園にそう声をかける女性はSPのサキだ。


玄関が騒がしいのが気になったのだろう、奥の食堂からシェフの一ノ瀬が顔を出す

「あ、皆さんおかえりなさい。ご飯もうできますよ?先お風呂にしますか?」


お風呂 ご飯!

両方の意見が飛び交う


「食べる方から先にどうぞ」

笑いながら一ノ瀬が返す


各々がそれぞれに散る



これはある所の大きな屋敷 幻魔堂というシェアハウスに住む14人の個性豊かな物語


To be continue…

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