第19話 父として、家庭人として

 もうそろそろ家庭編も終わりに近づきました。

 いよいよ裁判編へと移ってまいります。


 誰かを悪者にしたいという思いは一切ありません。

 社会の片隅、誰も知らない場所では、公的な機関によって、平然と不義不正が行われています。その事実を知っていただきたいと思います。私が自身で体験した出来事を記すことで、わずかでも救われる誰かがいることを願ってやみません。

 同じような事態に苦しみ、人知れず涙を流しているお父さんも大勢います。自分の主張が一切受け入れられず、自分が子供の世話をしていたという事実が一切認められず、裁判所の一方的で偏った審判を受けて自殺された方もいます。

 ここには、体験した者にしか知りえない悲劇があります。

 裁判とは、そういう世界なのだと思います。


 私自身、我が子を片親には絶対にしたくありませんでした。

 小さい頃、父母、祖父母、妹、飼い犬一匹がいる家庭で、現代に比べれば、幾分は物がない世界ではありましたが、それでも何不自由なく育ち、負い目も寂しさもない人生を送ってまいりました。

 こういう妻を抱えながらも、自分の娘には不自由な思い、寂しい思いをさせたくないという切なる願いがありました。

 ただ妻の欠点をあげつらってばかりいるように見えるかもしれませんが、実際の生活では、私が目を離したすきに娘に何か起こるのではないかと常に不安を感じ、娘の目の前で大声を上げる妻に真に恐怖を感じる日々であり、その点では、はるかに割愛している部分のほうが大きいのです。

 日中の会社勤めと夜中の娘の世話で疲労が蓄積し、目まいで倒れて、妻から罵倒された時、将来、娘が嫁いだあとの熟年離婚を真剣に考えました。もし年老いてから脳梗塞で倒れた時、「何してるんや!」と罵倒されて、終末を迎えるのはあまりに寂しい人生です。ともかくも、娘が大きくなるまでは、我慢しようと思っていました。是が非でも、娘に悲しい思いをさせたくなかったのです。

 しかし、私のどんな努力も実らず、私が築いた家庭は音を立てて崩れ去りました。すべては家庭裁判所の仕業だと考えます。「家庭を壊すのが、家庭裁判所ですか!」と裁判所から娘を連れに来た執行官に怒ったことがあります。事実、そうだったと思います。「この組織に自浄能力はありません。変えるとしたら、国会で変えてもらうしかないんです」それが執行官の返答でした。

 断じて、違う!と思います。それは、単なる「諦め」でしかありません。

 ひとりひとりの気づき、意識、思いが、世界を変えていくのだと思います。まずは知って、考えること、そして行動することで目の前の社会が変わっていくのです。


 家事審判という、人目につかない密室で日々粛々と行われている不公正で陰湿極まりない裁判があります。その一端を明かしたいと思います。本当に公正を目指すのであるなら、第三者の目の届く場所で、真実に公平で中立的に行われるべきだと思います。実際は、世間の目が届かない場所で、中世と同じく、一方的に断罪するためだけの「魔女裁判」が行われているのです。

 これが現代社会の闇であり、真実の姿です。

 少しでも、この暗闇に光が差すことを心より祈ります。

 小さな子どもたちが、つらく苦しい涙を流すことのない、明るく健全な社会が実現されますように…

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