第14話 聖剣?報告!
昼食と入浴を終え後は艦に戻るだけ。その帰りの途中にノアから例の武器の試作品が出来上がったとウキウキ声での報告が。マキランに説明すると「二人で娯楽街をプラプラしてから帰ると」と気を使ってくれたのでここで別れて二人で寄り道をすることに。
「ここがそう?」
「……うん。ここみたい、だぞ」
フワフワ~と飛ぶノアの先導で「整備班・装備品類試作組成室」なる部屋に辿り着く。
スパがある場所からこの部屋までは直線距離だと二百m程度だが、その間にはメイン系の重要な機器類が収まっているエリアがありどうしても迂回しなければならず、五倍近く時間が掛かってしまった。
ここまで「飛んできた」が「転送」になれている身体にはそれでもそこそこしんどい。
さらに今は落ち着いているとは言え、いつまた「消失が自然発生するかもしれない」という不安もあり、早めに艦に戻りたいという気持ちが強い。
ただノアも同じ気持ちとは限らない。彼女はメカオタクだし好きな事に没頭している方が精神的に落ち着けるのかもしれない。なので先輩として快くノアに付き合うことにした。
扉の前に二人同時に着地をする。
暫く待つが扉は一向に開かない。
いつもなら直ぐに開いているのだが……
「……む? 何故、じゃ⁈ 何故開かんの、じゃ⁈」
ピクリとも動かない扉を見て、ノアも同じ感想を抱いたようでお怒りモードで扉を叩き出す。
「……あ、開けてくれ! 後生だ! 頼む!」
強気の姿勢改め頼み込む、がそれでも反応しない扉。しまいには扉を叩いて縋り出す。
ピ、ピー
「ホレ開いたよ」
「……さ、入ろっと」
開かなかったのは、班長か主任の許可がなかったから。
ノアは知らなかったのかな? と思い横目で見ると澄まし顔で開かなかったことを気にしていないご様子。
この様子だと……先程の慌てぶりは「お約束」だったみたい。
「整備班・装備品類試作組成室」は手前と奥に部屋が二つあるだけ。通路から見て手前が操作室で奥が試験兼整備室。
操作室は左右へと広がる正方形をしており他と同様白基調。
正面から右側には操作盤とその上には透明な窓。操作盤の左側には奥の部屋へと続く重厚そうな扉があるだけ。
その扉から作業を行う試験兼整備室に入れるようだ。
透明な窓から見える奥の部屋は操作室の四倍近くの広さがあり全面グレー一色。
部屋の中央に4.5畳くらいの台があり、真上には古代に使われていた「ブラウン管」の厚みを薄くした形の装置が向かい合わせに吊るされてあった。
確かあの「ブラウン管モドキ」は物質転送装置の応用で、作業時には下りてきて対象物を原子レベルで分解したり、逆に組み合わせたりする装置だった、はず。
あと下の台は重力を制御し、ブラウン管もどきから放出された原子の固定や移動を制御する役割があった、と思う。
ていうか難しくてあたしにはよく分かりませ〜ん♩
ノアも普段は脳内で作業しているらしく? 二人共操作盤の扱い方を知らないのでサッサとアルに丸投げする。
『これより試験室内の減圧を開始します。作業終了まで入室は出来ません』
二回、注意喚起のアナウンスが流れる。
これから作業室内は真空状態になるらしく、重厚な扉からカチっと分かり易いロック音が聞こえてくる。
次に試験室内が真っ暗に。作業中は不要な電磁波を遮る必要があるらしく、今覗いている窓も黒色に変化した。なので中の様子は見通せない。
その代わりに手前にある操作盤のモニターには作業工程が表示されており、これから何が行われるのかの説明がされていた。
それによると向かい合う「ブラウン管モドキ」が、今いる位置から如何にも機械的な動きで台の上まで下がり始める。
そのまま台から数センチ上で止まると、二個のブラウン管モドキの「面」から色鮮やかな、レーザーの様な光の線が断続的にいくつも出てくる。
その光が作業台の中央付近で合わさると、そこに『物』が形成されていく。
因みに開始前は見通せなかった窓も、作業が開始されると元の透明に戻ったので途中からは窓を通して眺めていた。
作業開始から終了まで約一分。
物が出来上がると室内は一旦真っ暗になるが、直ぐに作業前の明るさへと戻ると台の上には完成した「銃」が
『これより試験室内を加圧します。加圧終了までお待ち下さい』と一度だけアナウンスが入る。
減圧よりも早い時間で加圧は終了。
カチっと扉からロック解除の音が聞こえる。
操作パネルにも「全行程終了」との表示が。
ノアが早速扉に近づくと今度は無事に開く。
「……エマも早く」
開いた扉の前で手招きをしながら試験室へと入って行く。
中に入ると作業台の上には形状の異なる「銃」が二挺。
ノアは浮いている銃を手に取り重さや感触を確かめる。
次に片手で持つと壁に向かって構えてみせた。
「……うん。ちょっとだけ重たい……けど合格だ、ぞ」
手にした「銃」を私に渡してくる。
それを無言で受け取りマジマジ眺める。
「……今から取説する、ぞ。まず
「えーと、こう握ってここを握る……んだよね? そうすると先っぽから「夢と希望」が飛び出てくるんだよね?」
「……だいたい合ってる、ぞ」
「って、スルーかい!」
付き合いが悪い、ぞっと。
「……弾は圧縮していっぱい入れてある、ぞ。エネルギー系も同様だ、ぞ。
と言われても使う場面が思い浮かばない。
「ふ〜ん。で、聖剣は?」
試しに聞いてみた。だって銃で魔王は倒せないでしょ?
「……よくぞ聞いてくれた、ね。聖剣だけはここを……「ポチッと」押さないと現れない、ぞ」
「ここ?」
昔であれば「セーフティーロック」が付いていた場所。その位置にある小さなボタンを押してみたが何も変化が起きない。
「……「ポチッと」を言わないと、な」
「……「ポチッと」な」
銃口の上についているフロントサイトが突然変形、長さ一mくらいの片刃の剣になる。
うぉ、危ない危ない!
「ホントに剣になるとは……」
マジマジと眺めてから軽く振ってみる。
「あら、案外軽いのね」
「……女の場合は力よりも、俊敏な動きで敵と対峙しないと勝てない、ぞ。それとエマのは剣ではなく「刀」だ、ぞ」
「そ、そう? なの?」
そう言えばこんにゃく以外は何でも切れると豪語していたお侍さんが持っていたのと形状が似ている気がする。
「……常識、だな。特にその「むらまさぶれーど」は何でも切れるから注意するんだ、ぞ」
「え? そうなの?」
ザンテツケンって名じゃないんだ? それとこんにゃくも切れるの?
「……おう。気合いを入れれば「お月様」くらいなら造作もない、ぞっと」
意味深げにニヤケながら言う。
やっぱりお月様は定番なんだ。
「むらまさぶれーど」を改めてよく見ると……うん、確かに剣ではない。昔アンティークショップで見た「刀」に似ている。
ノアが残ったもう一挺を掴み「……因みに私のは……「ポチッと」な」と言うと……両刃の大剣が現れた。
「えくすかりば〜! だぞ?」
とドヤ顔で脚を開き片手を腰に当てて剣? を持った片手を大きく掲げて叫ぶ。
「……抜くのが大変だった、ぜ」
剣をを持った腕で額の汗を拭う仕草をして見せる。
──抜くって何処から?
「…………でかした」
取り敢えず褒めることにした。だってみんなの為を思って頑張ってくれたんだもんね。
「そんでこの剣? 刀だっけ? どうやって元に戻すの?」
このままじゃ危なくてとてもじゃないが持ち歩けない。
「……同じだ。よ。ボタンを「ポチッと」押せば戻る、ぞ」
無言で押してみたが何も変わらない。
やはり言わなきゃダメらしい。
「「ポチッと」な」
無事戻った。ふっ……お約束とは言え面倒だわさ。
「……エマの生体情報を登録してある、ぞ。エマが承認しないと他人は使えない、ぞ。あと使わない時は自分の体の好きな位置に「装着」できる、よ」
と言ってから自分の「ガン」を右腰に添えると一瞬で拳大の大きさになって宇宙服にくっついた。
これなら邪魔にならないね。うん「御守りアイテム」としては合格。
「弾の種類は?」
使う機会は一生無いとは思うけど一応聞いておく。
「……この前に言ったやつ以外にもいくつか追加してある、ぞ。……え〜〜と、忘れた、ぜ」
ノアにしては珍しい、と思いながらも「思い出したら教えてね。あと、マキとランの分は?」と尋ねる。
「……ない、ぞ。あの二人は「いらない」と。だから今回は私とエマの二人だけだ、よ」
普通はそういう反応だと思う。
以前の私だったら、相談を受けている段階で「やっぱりいらない」と断っていたと思う。
「……それともう一つ。探索艦にも少しだけ「改造」を施した、ぞ。こっちは全員分、ね」
ほえ〜? いつの間に……
「……どんな改造?」
「……こちらも女子力あ〜ぷをした、ぜ。具体的には……めんど……だから暇な時にでもアルテミスに聞いて、くれ」
「はいはい分かった。ご苦労様」
少しだけ投げやりに言いながらノアの頭を優しく撫ぜる。すると俯きながら頬を赤らめるノアのお尻に激しく揺れるもふもふの尻尾が……え⁈
生えてる! ってアルの仕業? ……紛らわしい。
「さ、行こ?」
赤い顔のノアの手を引いて二人が待っている待機室へと向かう。
待機室へは行きよりも早く戻ることが出来た。
「飛行中」のノアは終始ご機嫌で、私の手を握ったまま離さなかった。
待機室に入るとマキとランはまだ到着しておらず、自動演奏のピアノの音だけが静かに流れていた。
時間を確認すると時刻はまだ十六時を回ったばかり。
本心を言えば早めに艦に戻りたいが、二人が楽しんでいるのを邪魔はしたくなかった。またサラ達をここに残していくのに、少しだけ後ろめたさを感じていた。
──もう少し待ちましょうかね……
後は艦に戻り、夕食食べて寝るだけ。特段用事がある訳ではない。
気持ちを切り替えノアと一緒に近くのソファーに腰掛ける。
──そうだ、まだ偵察艦が戻ってきてない!
大事な事を忘れていた。
(アル!)
(はい?)
(偵察艦はまだ帰って来てないの?)
(いえもう帰投しています。解析も終了していますよ)
(戻ってるなら教えてくれても良くない?)
(いえ、みなさんのお邪魔をしてはいけないと思いまして♡)
お邪魔? 多分、あの時か……
(エマの様子もしっかり記録してあります。後でエリーにお見せしましょう)
(そんな事に気を回さなくていいの! で、どうだった?)
(「あの方」の痕跡となる「遺跡」が発見されました)
(……つまり「当たり」ってこと?)
(はい。改造したとはいえ、偵察艦での探査では限界があるので「探索艦」での再調査は必要ですが)
(そう。それで、みんなはいた?)
(残念ながら姿かたちも)
(そう……)
手掛かりを見付けられなかった。振り出しに戻った感が強い。
(あ、それと「消失」のことで聞きたいんだけど)
(はい)
(もしかして一度「消失」が起きた場所ではもう二度と「消失」は起きていない?)
(…………記録では……発生していませんね)
(間違いない?)
(はい)
ここに戻り基地の惨状を見ていつ発生するか内心ビクビクしていた。なので聞いてみて良かった。
ふと我に返るとノアが右手にティーカップを、左手に湯のみ茶碗を持って立ってこちらを見ていた。
「……話は終わった、かい?」
覗き込みながら訪ねてくる。
「あ、ごめん。ありがとね」
ティーカップを両手で受け取るとノアは「……うん」とだけ言い隣に座る。
「偵察艦が帰ってきたって。それでみんなはいなかったって」
と事実を告げる。
「……まあ「多分だった」けど、みんなは違う所にいるんじゃないかと思ってた、ぞ」
茶碗を見つめ、お茶をユックリと回転させながらノアが呟く。
見た目と声に、普段の元気が感じられない。
「どうしてそう思うの?」
こちらも紅茶に目を向けたまま問いかける。
「……全員が向こうにいるのなら、全部で十四艦揃っている、ぞ。パートナーが揃っている班は五班もいる、ぞ。例え「命令」であったとしても、誰かしらは、ここか先日私達が集まった惑星かに偵察なりで戻ってきてもおかしくない、ぞ。特にリンなら命令無視してでもランを探す筈だ、ぞ。だけど未だに誰も来ない、ぞ」
「そうね」
「……仮にシャーリー達に何かあったとし、応援としてラーナ&ルークの待機二班が向かったとしても、最悪はワイズ達ペアが残る、はず」
無言で続きを促す。
「……みんな出払った後に、基地が危うい状況になって、全員脱出しなければならない状況なら、
その通り。ワザと来ないのか、それとも来れない状況にあるのか。
「……お寝んねしているサラ達の誰かが復活すれば謎は解ける筈だ、ぞ」
「そうね。それとは別に私はサラが起きたら聞かなければならない事がたくさんあるから」
ティーカップを隣にあるテーブルに置いてから背もたれに寄り掛かり目を瞑り小さなため息を一つ。
──何が起きたかはサラに聞けば分かると思う。ただそれまでジッとしていてよいものか……
紅茶を飲み終わる頃にマキとランが待機室に入ってきた。
持っている袋の膨らみが別れた時と変わっていないところを見るに買い物はしてこなかったようだ。
そのままソファーを移動し四人向かい合わせで座り直す。ついでに飲み物の準備もする。
「みんないい?」
全員着席してから話を始める。
「私達が風呂に入っている時に偵察艦が戻ってきた」
三人、特にマキとランの表情に注意しつつ続ける。
「結果から言うとそこには誰もいなかった」
「誰も、ですか……」
真っ先にランの表情が曇る。
「ちっとは期待したんやけどな……。みんなどこやねん」
マキも落胆の色を隠さない。
「私も少しだけ期待してたんだけどね。ま、居ないものはしょうがない。焦ってもしょうがない。で、もう二つみんなに報告があります」
「何や、ええ話か?」
マキが食いついてくれた。
三人が顔を上げて私を見つめる。
「ん〜一つは良い話。もう一つはどっちかって言えば……どっちだろ?」
「どっちでもええから話してみ?」
「一つ目は今回、基地が穴だらけになった原因はまだ分からないけど、ここでは二度と起きません!」
敢えて断言する。その方がみんな安心出来るだろうから。
「ホンマか? 何で起きんと言えるん?」
「……秘密。でも大丈夫」
「ま、まぁ起きへんのならええわ」
よしよしいい子だ。
「なので明日からは基地生活に戻します」
「「「…………」」」
皆、何故かガッカリした表情で黙りこむ。まあ文句なしと考えよう。
「はい次。偵察艦が「遺跡」を発見しました」
「「「!」」」
三人が驚きの表情で固まる。
そりゃそうでしょ。私も長年探していたモノが見つかったと聞いた時は感動が……無かったね。そりゃ「贄」だの聞かされた後だからね。
もしもこんなゴタゴタなんか起きずに発見! てな事だったら、ボーナス百倍で万々歳だよね~。
お、そうだ! 今後のお給料はどうなるの!
サラが復活しなければ、もしかしてのタダ働き⁈
「てな訳で今日は取り敢えず「宴会」だ!」
拳を振り上げる、が三人は固まったままだ。
「だ〜か〜ら〜え〜ん〜か〜い〜」
したくないの?
「い、いえそっちじゃなくて「遺跡」が⁈」
予想に反しランが真っ先に再起動を果たす。
「そう「遺跡」」
「え……え〜〜⁉︎」
また固まってしまう。
「宴会場は……予定通り探索艦で」
「ち、ちょっと待って下さい! 宴会どころじゃ!」
「とは言っても、ね〜。じゃあランちゃんに聞くけど、これからどうする?」
「え? どうするって……」
「……どうする、か?」
ノアが目線を下げ自問自答し始めた。
「私達は「遺跡」を探していた。見つけたら基地、つまりサラに報告して即撤収。そして指示に従う。で、その後は?」
「その後……」
マキもノアと同じく自問自答を始める。するとランもエマが言わんとしたのを理解した様で大人しくなった。
「私達が今やるべき事はサラ達の治療。次は仲間の捜索。「遺跡」は復帰後のサラに報告。つまり丸投げにします」
上司を救い、基地を直し、仲間を探す。これならば感謝されども文句は言われなくて済む。
というのは建前で正直「遺跡」に関わりたくないってのが本音。
難しい判断は「上」や「先輩」がすればいい。そこまで私が責任を負う必要は無い。
つまりは判断の先延ばしだ。
私に関わる面倒事は、それこそサラが起きて色々聞いた上で決断をすればいい。
どうせこの手の面倒事からは逃げられないんだろうし。
「……エマが今は司令官、だぞ。好きに決めるがいい、ぜ」
流石はノア。
「でもよ、ええのかなー。他のエリアに報告とかは?」
「正直言うと、特に(探索部)本部とはあまり関わりたくない。今は」
これは本心。
「どうしてですか?」
「……さっきね、レベル4権限で調べたの。「遺跡」について」
紅茶を一口飲む。
「そしたら、信じられない事のオンパレード。ま〜話せないけどね、ハハ」
から笑いしてから頭を掻きむしる。
「ま、あの時アルがおかしくなってからちょっと色々と疑ってたけど、ね。信じられるものがかなり減ったわ」
私をジッと見つめる三人。
「なので取り敢えずサラと話をするまでは極力外部と関わりたくない。私達のために。今は、だけどね」
「エマ」
大人しく話を聞いていたがここでマキが口を開く。
「なに? マキ」
「あんたここ数日で随分強うなったな」
「そう? みんなのお陰だね。君達三人があそこに、あのタイミングで来てくれて本当助かった」
そう言い軽く頭を下げる。
「いえ、それは当然の事をしたまで……でも「遺跡」があったという事は、先発隊のエリスとシャーリーさんも当然見ている筈ですよね。そして発見の報告も当然届いている筈。基地に報告が上がれば、跳躍中だった私達四人にも『
一言ずつ確認する様に話すラン。
いや、うちのねーちゃんはちょー怪しかったわ!
「せやな。なんかしっくりこんわ」
「……やっぱり誰かに聞くしかない、ぞ」
「というわけで本日の任務はしゅうりょ〜、だぞ」
とノアのマネをしながら締めくくる。
真似をされたノアはこちらを一瞬だけ見ると顔を真っ赤にして俯いてしまう。
「可愛い♪」
つい口に出してしまう。すると耳まで真っ赤の茹蛸状態に。
──ノアって結構初心なのかね。
「エ、エ、エマさん‼︎ 私は?」
へ? 必死の形相でどしたの?
「勿論。ランちゃんもとっても可愛いわよ♪ 頼りにしてるからね」
ランは頭から湯気を出して沈没した。
「あ〜あ。この二人どないすんの? 当分動けへんで?」
「…………」
わ、私が悪いの?
「何や、エリーやローナに似てきよったな?」
ど、どーゆー意味で?
「それ何か複雑……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます