第8話 女子会?帰還!
(エマ! お願い返事して! エマ!)
呼ぶ声が聞こえる。エリ姉……かな?
(エリー……エマ、意識回復、心身問題なし)
(ホント⁈ アル、エマはどこ? もしかして
(……エリ姉?)
アルテミスの声も聞こえてきた。ってゆーかエリ姉ったら慌てた声でどしたの?
(あ、貴方今どこ? 怪我してない?)
(怪我? 痛みは無いから大丈夫? でもちょっとだけ……待って)
今、目を開けるから。
うーーん、どうやら移動はしていない……けど私ってば何故に横になっている?
(目が覚めた? 今どこにいるの?)
(え〜とここは外……第二目標の地上)
(何で艦から降りているの! アル何故許可したの! 今直ぐこちらにデータ送りなさい!)
今まで聞いたことのない口調。『繋がり』を通して動揺しているのが物凄く
エリーが動揺しているのは……私が原因。
規則を守り艦から出なければここまでエリーを心配させることも無かった。
本当にごめんなさい。
……ところでどれくらい意識を失っていたのだろう?
◇
ここで『
『繋がり』で結ばれた双子の姉妹兄弟は探索艦を通せば脳内で会話成立させる。探索部ではこれを『
彼女彼ら探索者となった双子は『繋がり』という元々持っていた能力を開花させることにより「気配みたいなもの」が感じ取れるようになり、
この能力を開花させた者が探索者育成校にてその能力を伸ばし無事探索者になれた暁には、会話すら可能な『
ただこのシステムの欠点としてペアの一方が意識を消失して応答できない場合は「会話」が成立しない。その場合、探索者の能力に便乗する形で艦AI同士がやり取りしている各種データの送受信も当然ながら止まってしまう。
『
それらを踏まえた上で、エリーは「何の前触れもなく意識を失うような深刻な何かが起きた」か「電波がやり取りできない距離まで艦と物理的に離れてしまった」のどちらかと判断。どちらも規則さえ守っていれば通常ではあり得ない事態なのだが妹の性格を考えると、特に後者は「もしかしたらあり得るかも」と思い始める。
その思いが決定的になったのは艦AIが作戦に支障の無い範囲で定期的に送ってくれていた
◇
(了解、データ、送信中)
データ通信はエマ経由となるので一度に大量には送れない。量にもよるが、多少時間が掛かってしまう。データ送受信の比率を上げてしまうと通話(会話)すら成り立たなくなる。
エリーはそれらを承知の上でデータ送信を優先させた。
エマもそれを知っているので自分の状態確認を始める。
横のまま手足を動かしてみる。大丈夫、宇宙服のお陰か怪我はしていないようだ。
両手で身体を支えながら上半身を起こし周りを見渡す。
意識を失った時点と同じ場所で同じ景色。
ただ変わった点を一つだけ見付けた。
隙間から差し込んでいた光の位置が僅かに移動していた。
(ねえ、私どれくらい気を失っていたの?)
アルテミスに聞いてみる。
(
(そう。私に何が起きた?)
(数値上、寝てた。あと、脳、活性化)
(どういうこと?)
(パターンから、誰かと、会話していた)
──覚えていない。夢でも見ていたの? 夢? 夢……
(夢、判別不能、数値で判断)
(そう、何か記録できた?)
(内? 外?)
内とは私自身。外は私以外の何か。
(両方)
(特に)
(……そう。それと、あなた話し方戻ってるわよ)
(そう? どっちが好み?)
(とりあえず今のままで)
(了解)
アルテミスにも……何かが起きている。
だがそれ以上は今は何も分からない。
突然の事態に思考が追い付かない。
仕方ない。頭を掻き、一旦考えることを放棄した。
「よいしょっと」
敢えて声に出してから立ち上がるともう一度辺りを見渡す。だが様子に変わりは無かく何も見付けられなかった。
ここで惑星軌道上に「何か」が現れたのをアルテミスが感知。それが私に伝わってくる。
今いる場所からは見えないにも拘らず反射的に上を見上げてしまう。
『エマさ〜ん生きてますか〜』
聞き慣れた声が。
声は靴底に仕込まれた通信機器から。
因みに頭部保護シールドが作動している場合はシールド内に音声を流す。
「その声はランちゃん?」
『はい! ランが一番に参りました!』
嬉しそうな声。
『エリーさんが「第二目標辺りでロストしたから急いで向かって欲しい』って
「ん、ちょっとね、気を失ってたみたい……」
『気を? っていうか何でそんな所に?』
「何で? ……何でだろ?」
首を傾げてしまう。当たり前だが指示もなく艦から外へと出る事はしないしあり得ない行為。
当然の質問をされたが自分でも答えられない。
『や〜着いたど〜! お? そこにおるのはランか?』
『はい、マキさんも到着〜♪』
返答に困っていたらマキが到着。ランの嬉しそうな声も聞こえた。
『……ありゃりゃ、ビリ、だぞ』
ノアも到着。
マキとは僅かな差で遅れて到着した、ぞ?
これで通常探索班が勢揃い。
ノア到着後、
ここでアルテミスも含む四艦の情報連結が始まる。
まあ連結するまでもなく、三人の会話からこちらに着く前に基地経由で私の安否だけは伝わっていた模様。
『皆さんエマさんは無事ですよ』
ランの
『エマや何があったん? 何でそんなとこにおんの? なんかエエもんでも見付けたんかい?』
マキが揶揄うように尋ねてくる。
『……エリー泣いてたぞ、っと』
マキとは対照的にノアは心配そうな声。
「みんなありがとね。私は何ともないよ。ちょっと意識が飛んじゃってね。自分でも何が起きたのか……ちょっとまだ混乱してるかな」
ごめんね。自分でも理解出来ていないので説明しようながい。
それでもエリーには早めに謝っておかねば。
障害物を避けゆっくりと外へと向かいながら答える。
「今から艦に戻る」
床の端まで来たところで振り返りもう一度建物内を見回すが変わらず静まり返っていた。
──結局ここはなんだったの……
崩れかけた廃墟を後にした。
(通信、情報連結、終了)
艦に戻り一通り身体を調べて「異常なし」と太鼓判を押されたあと、真っ先にエリーに謝罪を入れながら皆がいる静止軌道へと到着。作戦開始前と同じく四艦が横並びとなる。
その光景は真っ白な団子が四つ並んでいるように見える。「みたらし」かけたらとても美味しそう。
現在は基地からの指示待ち。サラがいつも言っているが、規則でイレギュラーな事態が発生したら先ずは報告。その場で指示を待て。サラのOKが出次第帰還しろと。
「まあ
マキ姉妹とシャーリー姉妹は私の初めての後輩。その時にラーナ達から新人育成を託され私が初めて担当したのがマキとシャーリーの同期の二人。なので後輩の中では一番付き合いが長い。
「そうそう、エリーさんなんか「行かせて〜」ってドックの中で暴れたらしいですよ」
ランが手で口を隠しながらクスクスと笑っている。彼女は礼儀正しい新人探索者。最近私の手を離れ独り立ちしたばかり。
「……でもローナが説得? 説教? したらしい、よ〜ん」
ノアは机で何かしている。あ、ペンが見えた。さすがプロ。いやどっちが本職?
「それにしても綺麗ですね〜」
「そうやな」
「いいかも?」
三人ともこの二重惑星を見て私と同じ感想のようで感嘆している。
「私もこれを見てね、急にあそこで紅茶が飲みたくなったんよ」
草原を見ながら微笑む。うん、この気持ちは同じ趣味のエリーなら分かってくれる筈。その後の行動は……私にも説明出来ない。
「本当、姉妹揃って紅茶好きですよね~」
「それは否定しない」
「暇さえあれば飲んどるもんな〜」
「……私はこれ、や~」
と言いながら茶色い瓶を机の上にデンっと置く。
「「「……」」」
アレはもしかしなくてもアレだろう。
「今は仕事中やろ? 呑んだら飲酒運転になるで!」
「というか何でそこに瓶の酒があるの?」
「ははは、ノア? もうちょっとだけ我慢しよ? ね?」
二人の言うことはごもっとも。任務中は当然禁止だし瓶に関しては今では全く見掛けない代物。
「……大丈夫だ、よ〜ん」
と言ってノアが飲み始める。所謂ラッパ飲みだ。
「「「……」」」
「ぷは〜〜不味い! もう一杯!」
ダミ声だがとても幸せそう。
「あー飲んじまったわ」
「ま、まぁ後は帰るだけだから……」
うん、見なかった事にしよう。
瓶を持った手で口元を拭きながら「やっぱ、健康には冷えた青汁ぅ〜」と空いている手を親指立ててグーにして突き出しながらドヤ顔をして見せる。
三人とも盛大にコケる。
「酒やないんかーーい!」
「ところでみんなの方も「外れ」だったみたいね」
「おう! なんももなしや!」
「私も。ギリギリ対象になっただけという感じでして」
「……面白く無かった、ぞ」
ノアは不機嫌そうだぞ、っと。いやそうじゃなくて、楽しむためにやってる訳じゃないからね。
(サラ、指令、きた)
アルテミスの報告。
空間モニターに指令内容が表示される。
皆の所にも同時に届いたようで、一斉に自艦内のモニターへと顔を向けていた。
<別命があるまで艦内待機せよ>
どういうこと?
帰還命令ではない?
しかも短文。
こんなの初めて。
皆も同じ感想の様で不思議がっている。
いつものサラなら「いつまでチンタラしとんじゃー!」と小言? が飛んでくる場面なのだが……
まあ、ここにいるメンバーで言われるのは私だけだけど。
(エリ姉何かあったの?)
(はいな〜? 待機のこと〜?)
(そう)
(う〜ん……内緒♡)
おいおい。
(主任がね〜話しちゃダメ〜て)
(? 何で?)
(それは〜秘密♡)
どうやらホントに話せないようだ。
(「こっち」は大丈夫だから〜そこにいてね〜。もうちょっと時間掛かりそうだから〜四人で女子会でも〜してて〜)
はいはい了解。
「みんな指令きた?」
全員に聞いてみた。
「おう」「はい」「ふむ」との返事。
「何かあったんかね」
久しぶりに見たマキの真面目な顔。
「まあ私達が気にする程の事ではない、という事でしょう」
「……とりあえず寝るぞ〜と」
ノアのモニターが消えた。本当に寝るみたい。
まあ待機していろってことだし、寝てても艦が面倒見てくれる。ここから動かなければ何をしていても構わないだろう。
「二人はどうする?」
聞いてみた。
「そうですね〜ではエマさんに質問。ここで何が起きたのかを詳しく教えて下さい」
「そこは同意や。ウチも聞きたいわ」
「教えてって言われても多くないよ?」
「つまらん話なら男関係でもええよ?」
「それはナイスアイディアです‼︎」
「は? はい?」
「今からそっちに行くで〜」
「じゃあ私も♪」
「ちょっ、ちょっと待っ……」
プツンとモニターが切れた。
──
二人の艦がジワジワとこちらに近づいてくる。
さらに
「うーー」
不貞腐れながらも「寛ぎ空間」を作るようにアルテミスに命令する。
すると
テーブルの上には既にお菓子とティーセット、ジュースが添えられており背景も森林の中風に変化してゆく。
因みにテーブル面や椅子の座面には引力を発生させているので、地上と同じ条件での利用が可能。
「入るで〜」「おじゃまします」
背景ニ箇所に穴が開き、そこから別々に入ってきた。
因みにランは手土産付き。
「お、準備ええな〜」
マキは入るなり遠慮なく椅子に座り、テーブルの上の用意したばかりのクッキーを嬉しそうに頬張る。
「あらあら、素敵な空間ですね♡ お土産持ってきましたよ」
とランが手に持っていた箱を開けて、中からケーキを取り出す。するとアルが気を利かせ、背景からお皿とフォークが人数分出してきた。
「ラン、いつもケーキ持ち歩いてるんか?」
ケーキを見た途端、残りの菓子を口に放り込みジュースで流し込む。
「ウフフ、各種1ダースくらいは(艦に)ストックしてありますよ」
「ケーキばかり?」
「いえいえ、他にもありますが。主にケーキですね」
「どこで仕入れるん?」
「ドリーの「ポロ」というお店です」
「そこ! 私昨日行った!」
「本当ですか? 私も昨日行きましたよ」
「あそこ美味しいすぎ!」
「そうなんですよ! しかも毎週新作を出すんですよ♪」
「「毎週!」」
マキとハモった。
その時、背景から一脚椅子とティーカップが舞い降りてくる。
出てきた椅子を皆が目で追っ掛ける。そこに背景空間に穴が開き、ヒョコッとノアが顔を出す。
「……何か楽しそうだ、ぞ」
そう呟き、どっこいしょっと言いながらぎこちない動きで穴から出てきて椅子に座る。
ランとは違った可愛さ。ちょっとどこかオヤジ臭い仕草が可愛さを引き立たせている。
「いらっしゃい。来られると思っていました♪」
箱の中にはもう一つケーキが残っていた。
「……私も手土産ある、よ〜ん」
と持っていた可愛いらしい柄の風呂敷からお萩四個と茶色い酒瓶を出す。
「それ、中身何?」
立場的に聞かざるを得ない。なので瓶の中身を聞いてみた。
「……残念ながら抹茶だ、よ〜ん」
よしよし。で何で酒瓶に入れてるの?
ノアが私の視線に気づいたのか「……酒瓶だけで1ダースはストックしてるよ〜ん」と一言付け加えられた。
さっきの話どこかで聞いていたのね。
みんな揃ったところで、女子会が始まった。
十八歳組のランとノアが歳上のエマとマキを弄りなから終始和やかに寛いだ。
「ふぃ〜食った」
マキがお腹をポンポンと満足そうに叩く。
「れでぃに有るまじき仕草ね」
ちょっと弄ってみる。
「ええの! 女しかおらんから」
「マキさんらしくていいじゃないですか♪」
「……オヤジ、だぞっと」
「ふん」
いじけたぞっと。
「でも、エマさんが行ったその建物? 廃墟? はなんだったのでしょう……」
ランが首を傾げる。
「それが今思うと不思議なのよね。いくら「素敵な世界」でも作戦中に艦外に出るなんて考えられないし、普通ならアルが止める筈なんだよね」
「……そのアルテミスも、変?」
「そう、第1目標に着いた辺りから人格設定が突然変わったのよ。で、その事を聞くと「モンダイアリマセン」と同じ返事なの」
ため息を漏らす。そして目を瞑りながら呼ぶ。
「……アル?」
「モンダイアリマセン」
先程の口調そのままで即答してきた。
「……ぷっ」
質問したノアが軽く吹き出し、俯きながら笑いを堪えている。ってゆーか
「ど、どしたん?」
ノアは普段は無表情で喜怒哀楽を表には出さない。彼女が笑っている所は私でさえ見た事が無い。なのでマキが怪訝そうにノアの顔を覗き込む。
「……エマ、ガンバ」
ノアがチラチラとこちらを見ながら憐れみの表情で応援された。
「なんかムカつく〜」
でも笑顔が可愛いから許す!
女子会もお開きになりそれぞれの艦に戻って行った。
その際、新たな指令があるまではこの星系内での自由待機、艦外に出ることのみ禁止という事を取り決めた。
特にエマは草原惑星への接近禁止を三人から言い渡され、少ししょげていた。
「はぁー暇だわ」
何もする事がない。
待機を命じられてそろそろ六時間程経つ。こんな時こそ、キラキラ石集めに勤しみたいのだが、合計六ツの目が見張っている。
しかも全く隙のない協力者が傍(そば)にいる。
エリーに話かけても「今忙しいから〜」と軽くあしらわれ、ここ四時間は通話も受け付けてくれない。
この状況は他の三人も同様だった。
ノアに至っては「……原稿上げといて、くれ」と押し付けられたと憤慨していた。
「基地を出発して約七時間。最長記録更新だわ」
二箇所回ったのもここ数年で久しぶりだか、滞在時間がこれ程長いのも初めてだ。
今までの最長記録は確か六時間だったかな。
あの時は、金銀財宝ザックザクの上物フィーバー状態。時が経つのも忘れて無我夢中で掘りまくった。
暇なので、何故帰還命令がでないのかを考えてみる。
①サラの嫌がらせ……確か出撃前にマリ&マキが泣かせてたような。パワハラ? 皆んなで先に報告会してる? なら他のメンバーが外されるのはおかしいし、しかも泣かせた
②見捨てられた……問題児一掃のちゃーんすって無いか。帰る手段あるし。
③
④別の場所で問題が……どこ? エリス達のところ? そういえばあっちはどうなったんだろう? 向こうが忙しくてこちらに構っている暇がない? これは可能性がありそう。
⑤私やアルが原因……私なら隔離すればいい。艦から下ろさなければ隔離状態は維持できる。あの三人とは接触したが。私への精神汚染ならだけなら三人には関係ない。アルなら、暴走→星系規模の消滅もありあるが、今の技術力で暴走とかはあり得ない。唯一はAIの故障による任務阻害くらいか。「介入」て言葉が気になるけど。
どれにしても情報が無さすぎる。だが何処かで何かが起きているのは間違いないと思う。
結局どうしたらいい? 最適解は?
その時、出発前のローナの言葉が蘇る。
<今回何が起きても
命令は守る? 命令?
<別命があるまで艦内待機せよ>
艦内待機? 外に出るなってことよね。
……帰還するなとは誰も言っていない……
どうする?どうしよう……
『繋がり』でエリーが生きているのは感じられる。他の三人の様子からもパートナーは生きていると思う。今は……
「みんな聞いて」
一斉に三人分のモニターが現れ視線が私に集まる。
「やっぱり
三人を順番に見てゆく。
「待ってだぜ!」
マキが力強く頷く。
「はい!」
ランがニコニコ笑顔で答えた。
「……早く帰ろ、っと」
ノアの笑顔は本日二度目。
「サラは「艦内待機」とは言ったけど、帰って来るなとは言ってないよね?」
サラの名を出したが脳裏にはローナの顔が思い浮かぶ。
「だから……帰ろう」
「「「はい」」」
四艦とも漆黒の円錐型になり等間隔で同じ方向を向いて停止している。
「到着後はお互いの位置確認、それから全方位周辺探査」
皆頷く。
(アル! 跳躍位置合わせ全員終わった?)
(済み)
「もし「誰とも」合流出来なかった場合は?」
ランが真剣な表情で聞いてきた。誰ともとは私達も含まれる。
「多分……大丈夫。でもその場合は……可能な限り現場のデータ拾ってから、探索部本部……ではなく、ここらか一番近いAエリア基地に集合。あと身の危険を感じた場合も迷わずAエリアに移動」
「「「了解」」」
「あ、それと指示があるまでは絶対に艦から降りないこと! これは約束」
「……何故なのだ?」
ノアが上目遣いに聞いてきた。
「サラの命令やな」
「そう、艦にいるのが私達にとって一番安全ですものね」
「合図と同時に跳躍開始する? いい?」
「それじゃ向こうで会いましょう……GO‼︎」
四艦全くの同時に暗闇へと消えた。
(跳躍、終了、誤差なし、周辺探査、開始)
先ずは現状確認から。
(三人ともいる?)
(誤差、ない、脇)
空間モニターで確認する。出発時と同じ形状・間隔で停止している。全員何事も無かったようだ。
まずは三艦と情報連結しながら全方位探査を行う、と同時にエマは基地への通信を試みる。
約一光秒の距離だ。
反応がない、というか情報連結が始まらない。
(基地、沈黙、半壊、状況、不明)
アルが報告をしてきた。
何を言っているのか理解出来ない。
そこにモニターがもう一つ現れ、光学探査モードでの基地の様子を「鮮明」に映し出した。
「「「!」」」
その光景を見た四人全員息を飲んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます