君に伝えたい言葉

初恋

第1話 手紙

俺は悲しみに溢れていた。

愛する彼女が居なくなってしまった。

その彼女は仁科という。

彼女は、毎日生きているのが楽しいと言っていて、明るい性格だった。

今日は一緒に出かける予定だった。

待ち合わせ場所にいると電話がかかってきた。

「今、どこにいる?」

その時、自分が幸せだったか感じた。

「い、十六夜くん。今どこにいるの?」

「えっ、駅前ですけど?」

「舞が... ...車に轢かれてすぐ近くの病院に連れてかれたの」

その時、自分の何かが壊れたような気がした。

俺は慌てて病院に行ったが、仁科は息を引き取っていた。

俺は何も言えなかった。

一緒に出かけたり、一緒に話したりしていた人がいきなりいなくなった。

そんな悲しみを感じていると嗚咽を感じた。

悲しみ以外何も残らなかった。

吐きそうになっていると、後ろから力のない声で仁科のお母さんが話しかけてきた。

「十六夜くん、大丈夫?あまり無理しないでね。」

仁科のお母さんはいつも俺たちを支えてくれた人だ。

「舞はいつも幸せそうに生きてたわ。毎日十六夜くんのことを話してくれてね、生き生きしてたの。」

そんな言葉を聞いて今にも泣き出しそうだった。

舞は俺といるときも楽しんでくれていた。

俺も舞と一緒にいる時が楽しかった。

仁科のお母さんと話して、家に帰ると我慢していた涙が溢れてきた。

もし神様がいるとしたら無情だ。

彼女の人生に干渉して、人生を奪ったのだ。

彼女は俺の人生と言ってもいいほど大切な人だった。


舞が亡くなってから一週間くらい経った日、郵便受けの中身を取りに行った。

かなりの量の新聞が溜まっており、一気に持って行こうとしたら崩れて落ちてしまった。

ドサリと落ちた新聞の中から手紙が一通挟まっていた。

誰からなのかも検討がつかなかったので裏を見てみると仁科 舞と書いてあった。













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