第18話

「慧、今度あの宮崎奏の本が舞台化するらしい」

「宮崎...奏ですか...」

「知ってるだろ?」

「はい」

「主役はオーディションで決めるらしい。

受けてみないか?」

「受けます。もちろん」


凛がいる場所が近くになる気がして

気持ちがはやいだ


1ヶ月後、オーディション会場


1次2次と順調に合格し、最終選考。


もちろん、宮崎奏もいた

外見は特に目立つ感じではなかったが、

不思議と大きな存在感があった


舞台の詳しい内容は明かされなかったが、恋愛小説であるということで

それぞれの恋愛に関する質疑応答があった以上ですと言われ立ち上がった時に

宮崎奏に引き止められた


「あなたは、今、大切な人がいますか?」


「います」


「恋人ですか?」


「違います」


「家族ですか?」


「いいえ。

夢に向かっていく力をくれる人です」


「そうですか。だから、あなたはそんな目をしてるんですね」


俺がいったいどんな目をしているのか?

自分ではわかるはずはなかった


そして、

数日後、


主役の座を射止めた



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