第4話

彼女を好きになった理由はたくさんある、

でもどこが一番いいのかと問われたら、

あんなに小さいくても強く生きているところ

そして、弱いところだと

僕は答えるだろう。

彼女と出会ったのは、、もちろん高校に入った時だ。

そして彼女と同じクラスになりクラスメイトとなった。

彼女は、入学当初から校内でもかわいいこがきたと噂になり

たくさんの先輩に呼び出されていたこともあった。

だが、その沢山の先輩の人たちには彼女を罵る先輩たちもいた。

なにきどってんだとか、ぶすのくせに調子に乗るなやら

彼女は淡々とそれらを聞きながしていた、

でもそんな日々を過ごしていたある日だ。

放課後になってみんなもう部活やら帰宅をして誰もいなくなり

静まり返った教室に忘れ物をとりに帰ってくると教室のドアが開いていて、

誰かいるのかなと思い、ゆっくりと息をひそめて中の様子をうかがうと

彼女がいた、自分の席に座ってなにかをしていたのだ。

そして彼女は部活には入っていなかった、なぜかは知らないが。

だからこそ余計に気になったのだ、もう終わったはずなのになんでいるのかと。

僕はそこで気が付いた。彼女は自分のノートに書かれた悪口を悶々と消していた。

ただただ、消していた。

そして一滴の泪がこぼれた、彼女の頬を伝ってぽたぽたと

そのノートにこぼれていく、

僕は勘違いをしていたようだった。

彼女は強いものだと。

僕は思わず、教室に入ってしまった、

でも僕はなぜだがその時は自分のしたことがわからなかった。

「あっ、華原君だ」

教室にいきなり現れた僕に少し驚き、急いでノートを隠し目をぬぐっていた、

「…」

僕は口を開けることすらできなかった、

「えっと、わすれものかな?」

彼女が心配そうな目で僕に問う。

でもいつもと変わらない。

「あっ!そうそう!忘れ物しちゃって」

だから僕も何もなかったことのように

友達と話すような感覚でいつものように返した。

「華原君、忘れ物なんてするんだね」

彼女から見て僕はどういう存在なのかと疑った瞬間であった。

「そんなことないよ」

僕ははにかみながら答える。

「ふふっ、そうだよね。ごめんごめん」

彼女がくすくすといつもの笑顔で笑っていた。

僕は忘れ物をとりバッグに入れ、教室を去ろうとした

「華原君!」

彼女に呼ばれたのだ。

「ん?」

僕は彼女の方へ視線を移す。

「また明日ね!」

彼女はそう言って僕に笑顔という表情を

与えてくれた、

その時だ

僕の心がドクンと動いたのだ。

今ならわかるだろうか。

この気持ちが、

針が刺されたみたいにずきずきとうずくこの感情が。


紅く照らされている教室、彼女と僕。

ぼくのこころに彼女という存在が

入ってきた時だった。

それはとても甘くてすこし苦くて、

それでも尚入ってきたのだ。


 



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