第3話
物語は始まったのだ。
そして、彼と彼女の道が今交差し始めたのである。
あの日、彼女の目は確かに彼を見ていた。
そして彼もまた彼女の目を見ていた。
彼女の様子を陰からひっそりと今も見続けている僕にはわかってしまった。
ああ、こんな表情は見たことがないと。わかりたくなかった、
だがこの表情をするときの感情を僕は知っている。
恋。。。
ありきたりな少女漫画でも小説でもあろうかのごとく
シンデレラの目はもう王子様の虜になっているのだ。
僕はただゆっくりと何事もなかったのように、彼らがいない、場所へ淡々と走って向かった。
苦しい、見てしまった、つらくて、苦しい、どうしようもない。
胸が痛い、、チクチクと激しく痛み続ける。
彼女の目はいつだって誰からも奪われていなかったのだ。
彼女は複数の異性という男子から告白されていたのにも関わらず、
誰一人として彼女の隣にいることはできなかったのだ。
だが、彼が、彼一人だけが彼女に許されたのだ、
手に入れたのだ。
僕は、どうしようもない、この感情をおさえるために、唇を強くかんで、
拳を強く握った。
そして、ぼくの瞳からわけのわからない感情がこぼれたのだ。
今日も
臆病者の僕はなにもできない。
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