決して上手いとは言えないストリートミュージシャンの少女の歌声に、なぜか心を揺さぶられる男。
男は音楽業界で働く者として、音楽家の才能を聴き分けることには自負があります。
そんな、ある意味音楽を聴くプロであるはずの男が、聴いただけで才能がないと分かる少女の歌声をなぜ覚えていたのか。
深読みすればするほど、思い当たる節が湧いてきて自分の才能のなさがイヤになるという、ある意味とても危険なお話です。
でも大丈夫。作者様はそんなひねくれたお話を書いているわけではありません。
情熱を持って打ち込むことに対する作者様の暖かい視線を感じながら読み終えることができるはずです。