▼書庫を調べる


 落ち着いて座敷を見てみると、ここはどうやら書庫のようだった。壁には書棚が並び、それぞれにぎっしりと本が詰まっていた。しかも、入りきらなかった分があちこちに高く積んであり、更には何冊もが畳の上へ無造作に放り出されている。ぽつんとある文机は所在無さげだった。


 踏みつけないよう奥へと移動し、その過程で散乱する書物を流し見る。どれも黄ばみ、或いは色褪せていた。中には、どうやって読むのだろうと思うほどボロボロなものもある。また、漢字ばかりの書物や、蚯蚓がのたくったような読めない字で記してある書物も見かけた。

 それでも、どうにか読めそうなものもあった。もしかすると、この屋敷に関して分かることがあるかもしれない。正直なところ、さっきの今では、すぐに廊下へ行きたくなかった。少しだけ時間を潰そう、と小さな文机の前に座る。

 

 比較的、そこまで汚れていない本が二冊。朱と紺色の表紙のものだ。題名は文字が薄れていて分からない。

 そして、文机の上に置かれていた手帳が一冊。手帳は頁が開いたままで、間にはペンが挟まっている。それこそ、書きかけのような状態だった。

 これも、この屋敷にいる誰かの持ち物だろうか。





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 ❉朱い冊子を読む

 ❉朱い冊子と紺色の冊子を読む

 ❉朱い冊子と紺色の冊子と手帳を読む

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