▼【右へ曲がる】

 

 考える間もなく、咄嗟に右折した。

 しかしすぐに後悔する。こちらも両脇に座敷が連なっているものの、どれ一つとして灯りはついていない。薄暗い廊下を駆けつつ、どこか逃げ場はないかと必死に頭を巡らせた。

     

ギッ

  ギッ

ギッ   

  ギッ

ギッ

  ギッ

ギッ

 

 やはり気づかれているらしく、足音は一定の距離を保って追ってくる。どこでもいいから部屋に入って姿を隠したかったが、一本道の廊下だとその様子も見られてしまうだろう。せめて曲がり角が一つでもあれば、と焦りが強まっていく。


ギッ

  ギッ

ギッ

  ギッ

ギッ

  ギッ

ギッ


 息が苦しい。



ギッ

 ギッ

ギッ

 ギッ

ギッ

 ギッ

ギッ


 走り続ける足が痛い。怠い。心なしか、背後の足音が早まった気がする。床を伝い、相手の振動が足の裏に響いてくる。


どうして、誰もいない?

一体何処までこの一本道は続くのだろうか。



ギッ


 真後ろで床が軋み、頭を





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  ✺


      

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           ❆end:迷い路




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 ❉もう一度目覚める

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