蛇足的な飯田家の後日談。



 加納家から、結婚式の時の写真が送られてきた。つまりは、個性的な面々の大集合写真だ。

 恭子がそれをまじまじと見つめていると。

「あらっ、それヒロ君の結婚式の写真?」

「わっ、お母さん、いきなり覗かないでってば」

「いいじゃない。あぁ、立派になっちゃて、ヒロ君〜。

 まっ! お嫁さん、美人さんねっ」

「どれどれ。お、本当だ。すごい美人だ」

「お父さんまで」

「……………でもこの子、何だかどこかで会ったこと、ある気がするわ」

「ふぇっ!? そ、そんなはずないでしょ?」

「そうよねぇ。でも…………あ、そうだわ、夢。夢に出てきた子に似てるのよ」

「ゆ、夢?」

「不思議なのよ。いい歳なんだから無茶しちゃダメとか、なんだか頼子みたいなこと言うの、彼女」

「ん? そういえば、俺もそんな夢を見たような?」

「ゆ、夢の話だしね!? ほ、ほら、お母さん返してよ。部屋に持ってくんだから」

「あともうちょっと〜。ほら、参考に、ね?」

「………………母さん、止めなさい。恭子はまだ学生だ」

「あらヤダ。お父さんったら」

「うんうん、私はまだまだ先だから安心してね! じゃ、持ってくからね!!」

 もうダッシュで二階に駆け上がり、恭子は部屋の本棚に写真をしまい込んだ。

(あああああ、シャルさんってばぁぁぁぁぁ! 夢で母さん達と会う時、姿を変えるの忘れてたなぁぁぁぁぁぁっ!?

 夢だと思って!! 厳重注意よーーーーーー!!!!)

 異世界対策課の仕事人として正しく成長していく、きょんちゃんなのだった。







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