第19話 妹



 梓は行方不明。

 あやのは目覚めない。


 ピクニックをした時は、あんなに楽しかったのに。


 三座ちゃんは、僕達を襲った黒幕の尻尾を掴むために、碌に眠らずに情報を集めてる。

 犯人が分かっているのに、証拠がない。

 証拠がないと、相手に付け入ることができない。


 権力も力ももっていない僕達に出来る事はあまりなかった。


 そんな毎日が一週間くらい続いた頃、僕達のもとにその少女がやって来た。


 ツインテールの髪の少女。

 その子は、ミミとなのった。


 そして、山吹梓の妹だとも。


 そういえば、梓さんは妹について僕達に一言だけ言っていた。

 あの瞬間まで、僕達は梓さんに妹がいる事を知らなかったから、驚いたけど。


三座「あなたが本当に梓の妹なんですの?」

ミミ「そうよ」

三座「なんで私の家に?」

ミミ「お金がいるから」

三座「はぁ?」

ミミ「食べ物を買う為に」

三座「え?」


 とたんに、ミミちゃんのお腹がなった。

 そして、そんな音が鳴り響いた後、恥ずかしがるでもないミミちゃんはその場にばったり倒れてしまった。

 まったく普通の様子だったのに、食べてなかったみたいだ。


三座「ちょっ、人の家で勝手に倒れないでくださいな。何なんですのっ」


 慌ててお医者さんに見せた後、ご飯をご馳走する事になった。


 ミミちゃんの生活費とか食費とかは全部梓さんが稼いでいたようで、一週間経ったら無一文になってしまったようだ。


 貯金とかしてなかったのかな。


 そういうわけで、思う所はあったけど、三座ちゃんはミミちゃんを雇う事にしたようだ。


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