第16話 乱入者



 野生のクマが乱入してきて、その場がしっちゃかめっちゃかになった。

 

 だけど、俺達にとっては好都合。


 この機を逃すわけにはいかない。


考子「三座!」

三座「分かっていますわ!」


 混乱する黒服たちの隙をついて、その場から離脱。


 しようとしたが、向こうもこちらの離脱に警戒していたようだった。


 リーダー格の男が、三座に向けて何かを投げて来た。


あやの「三座ちゃん!」

三座「っ!」


 誰も警戒する事が出来ない中で、動けたのは梓だけだった。


三座「梓!? どうして」


 彼女は、三座を庇って、ナイフを肩に受けていた。

 血を流す彼女は、いつも通りの平静の表情のままだったが、息が荒い。


 彼女は、三座の問いに答えず、自分が持っていたナイフを握りしめた。


梓「お給料はの受け取りは妹当てでお願いします」

三座「梓!」


 そして、梓は黒服たちに切りかかった。


梓「あやの! お嬢様をお願いします!」

あやの「皆の頼れるお姉さんに、任せなさい!」


 戸惑う三座ちゃんの腕を引いて、あやのが駆けだす。

 考子もそれを会いかけた。


 梓の姿はすぐに見えなくなった。


三座「梓、どうして……」

あやの「三座ちゃんが彼女の内心を気にする事じゃないわぁ、梓さんは自分で考えて自分で裏切ったんだもの」

三座「なら、なぜ私を庇ったんですの」

あやの「それも彼女にしか分からない事よね」





 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る