第9話 制圧



 襲いかかってきたもの達の制圧には三分もかからなかった。

 梓が鍛えた体術でのして、三座と考子がとどめをさすだけだから。


梓「さて、どうしましょう」


 体についた埃を払う仕草をする梓には、全く怪我がない。

 それは考子も同じだった。


三座「分かり切った事をききますのね。当然屋敷に連れて行って尋問しますわよ」

考子「あんまり痛くしないであげてほしいけど、しょうがないよね」


 気弱な事を自称する自分だが、自分達を襲って来た人間に情けをかけるほど優しいわけではない。


 痛そうだな、とか辛そうだなとかは思うけど、三座が同じ目に遭うかもしれないと考えれば、仕方がないと思うのだ。


三座「尋問で悲鳴をあげるくらいなら、最初からこんな事するべきではありませんわ。覚悟がたりないんですわよ」


 ため息をついてそんな事を口にする三座は、何を考えているのか。

 今までの事を思い出して、呆れているのかもしれない。


 考子は、そう言えばと思いだす。


考子「あやのちゃんにお礼をいっておかなくちゃね。汚名返上になったからもう許してあげてもいいんじゃないかな」

三座「ですわね。今日からまたうっとおしい人が近くにいるとなると、かなり面倒くさいですけど」


 携帯を取り出してどこかに連絡する三座。

 その顔は、言葉通り面倒臭いと言ったように見えるけれど、どこか楽しそうに見えた。


 三座ちゃんの身辺事情を考えれば、あやのちゃんみたいな存在は貴重なのだから。


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