第8話 釣り



 学校帰りの道の途中で、三座が携帯からの着信に気が付いたようだ。


三座「と、あやのからですわ」


 一瞬でどこからか携帯を取り出した三座は、内容を確認。


三座「なるほど。これですぐに襲撃されたら、私達の担任が限りなく黒ですわね」

考子「え、権田先生が?」

三座「証拠はまだつかめていませんけですども。と、噂をすれば、ですわ」


 目の前に猛スピードで走って来た車が停車。

 仲から男たちがわんさと出てくる。


 狙いは当然三座だった。


三座「梓!」


 三座は瞬時にどこかで待機している梓に言葉をかける。


梓「分かっております!」


 打てば響く様な返事が返って来たのと同時に、頭上から人が降って来た。

 言わずとも知れた梓だ。


梓「考子様、一応お嬢様をお願いします!」


 そして、こちらに向かって何かをなげてくる。

 プラモデルの銃(改造済)だ。


 それを握った瞬間、考子の意識が言い表しようのない高揚につつまれる。


 それは……、


考子「三座、下がってろ」


 銃を持ったら性格が変わる体質だったからだ。


 がらりと変わった口調だが、三座は特に反応しない。


三座「この状況で、私が大人しくしているような女に見えますの?」

考子「まさか。男として恰好つけただけだ」


 二人は背中合わせになって、自分達を狙う男たちを睨み返した。


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