第7話 透視能力



 下校時刻になった後。

 あやのは学校の敷地内にいた。


 といっても、校内ではなく、職員室がある区画の外の壁付近だったが。


あやの「よーし、三座ちゃん達のためにも頑張ってのぞき見しちゃおう!」


 張り切るあやのが見つめるのはただの壁だ。

 だが、あやのには、その壁の向こうが良く見えていた。


 それはあやのに備わった特殊能力の効果だった。


 遮蔽物の向こう側を見る事が出来る、透視能力。


 その力であやのは、職員室を監視する。


権田「わざわざ遠い所からご足労いただいたのに、申し訳ありません」

???「いいえ、無理を言って取材させてもらったのは、こちらの方ですから」


 壁の近くにいたのは、権田教師だ。

 三座達の担任であるのだが、何か好かないのが特徴。


権田「それでは、仕事がありますので。地域紙の取材、頑張ってください。片瀬さん」

片瀬「はい、ありがとうございました」


 記者の人らしき外部の人が来てたので、それに対応していたようだ。


 スーツ姿のしっかりとした顔の女性が。職員室から出ていく。


 その姿を見届けた権田は、息を吐いて壁にかけられた時計を見つめる。


権田「もうそろそろか」


 携帯を手にした権田はどこかへとメールを打ち始めていた。

 あやのはその時刻を確認。


あやの「よしよし、とりあえず三座ちゃんに報告っと。お姉さんとってもできる子!」


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