第5話 あやの


 中央心木学校


 例によって例のごとく、防犯対策として携帯を隠してもってくる事になった三座ちゃん。


 目に見えるところからは、どこに隠してるのか分からないけど。ランドセルや手提げに入れっぱなしって事はないと思う。


 一体どこに持ち歩いてるんだろうな、って思いながら授業を受けていると、出禁にされた友達がよってきた。


???「みーさーちゃーん。あーそびーましょー」

三座「お断りしますわ」

???「三座ちゃんひどい!」


 明るい笑顔で声をかけてきたその子の名前はあやの。


 僕達と同じクラスの生徒なんだ。


あやの「梓さんや、考子くんとは仲良くしてるのに、お姉さんとは仲良くしてくれないの? あらやだこの子ったら。お姉さんないちゃう」


 はぁーとため息をついた三座ちゃんは、無視できないと思ったみたい。


三座「何が「お姉さん泣いちゃう」ですの。あやののせいで大変だったんですわよ」

あやの「てへっ」


 はにかみながら舌を出すあやのちゃんに、反省の態度は見えない。


三座「まあ、いいですわ。それより聞きたいことがありますの」

あやの「うん、どうちたの? どうちまちたかー?」

三座「……」

考子「み、三座ちゃんおさえて」


 あやのちゃんの悪ふざけに、三座ちゃんの方が震え始めたので、やむなくとりなす事に。


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