第4話 出禁の友達
部屋の扉が勢いよくドンドンと叩かれた。
???「あーけーてーおーくーれーよー。大道寺さんとこの三座ちゃーん」
扉を叩いている主は底抜けに明るい声でそう話しかけてくる。
もう来たのかな、と思って扉を開けてあげようとしたら、三座ちゃんに静止されちゃった。
三座「考子様、おしおき中ですわ」
梓「部屋の中に入れない方がよろしいかと」
扉一枚隔てた向こうにいる子は、先日とある事をやらかしてしまったので、この家を出禁にされているのだ。
あ、出禁って分かるかな。
出入り禁止の事だよ。
考子「わざわざ来てくれたのに、ちょっと可哀想なきもするけど」
三座「甘やかすのはよくありませんわよ。アレは餌を与えれば与えるほど、つけあがるタイプですもの。もうちょっとくらい冷たくしといた方が身のためですわ」
考子「うーん」
ちょっと悩んだけど、三座ちゃんの言う通り無視する事にした。
僕としては、反省してるんだったらそれで許しちゃうんだけど、それを決めるのは三座ちゃんだ。あの事で迷惑を被ったのは三座ちゃんだし。
梓「では、話し合いに戻りましょうか」
三座「そうですわね。やはり学校に携帯を持って行くべきですわよね。校則で禁止されてますけれど……」
僕達が扉を開ける気が無いと分かったらしく、数分後には騒音は消えていた。
代わりに「ふーんだ、いいもんいいもーん」といじけた声が聞こえたような気もしたけど、心を鬼にする事にした。
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