第2話 辛辣な主従
大道寺家 私室
三座「まったく今日も大変でしたわね」
僕の目の前で愚痴をこぼしているのは、三座ちゃん。
この地域では知らない者はいないほどの名家……大道寺家のご令嬢、
栗色の髪を綺麗に三つ編みにしていて、くりっとした目が特徴的。
服なんかは、お嬢様っぽくふわふわの生地のワンピースをきてるんだけど、可愛い見た目と違って、性格は意外に辛辣なんだ。
三座「誘拐犯さん達もこりませんわねぇ。無駄な事だといつになったら学習してくださるのやら」
呆れた様子で喋る三座ちゃんは、近くになっている人に同意を求めてるみたい。
話しかけられた人は、三座ちゃんのボディーガードである女の人だ。
名まえは梓さん。
赤みを帯びた長い髪をした女性で、スタイリッシュなスーツを着込んでいる。
きりっとした顔立ちで、頭が良さそうにみえる。
実際でもすごく賢い。
梓「お嬢様。いくら現実がこうでも、世の中には学ばない人間が多少存在しているんです。嘆かれていても相手の頭が良くなるわけでもありません。仕方ありませんよ」
聞いての通り、梓さんの性格も結構辛辣。
二人と同じ部屋にいる僕としては結構居心地が悪い。
そんな二人に向けて小さな声で話しかける僕は、果たしてつりあっているのかな。
考子「なんだか……日常になっちゃったね。誘拐されそうになったり、脅されたりするのって」
二人の顔色を窺って小さくなりながらも、僕はここ最近の事について話題に出した。
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