小さな地獄
一子
小さな地獄
手に入らなかったものだけがいつまでも美しく残るのなら、ハッピーエンドなんて成立しなくなる。
手に入らなかった女だけがいつまでも魅力的であるなら幸せな恋愛は出来ないことになる。結ばれたら夢は壊れ、結ばれなければそんな不幸な自分に酔いしれる男は、誰も幸せにすることなんか出来ないだろう。そして、きっと自分自身もいつまでも満たされないことでしょう。それで一体誰が幸せになれるのか。報われるのか。誰一人救われることなんてないんじゃないか。その事に気づいているのだろうか。
愛してはいけない人を愛してしまった。そんな人生を愛させたなら、誰か少しは楽になれるのか。
例えば、生きていることさえ哀しくて、虚しくて、惨めでたまらなくなったなら、その人はなんで生きているんだろうね。
時々苦しいって泣き喚きながら、現実から目を離してとにかく息を吸うんだろうね。そして苦しくなったら今度は吐いて。そんなことを繰り返しながらやっとの事で生きて、そして気づいた頃にはもうそろそろ終わりが近づいているんだろうね。
小さな地獄 一子 @aaaaaaaaaaaaaaaaaa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。小さな地獄の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます