第6話
「復学されるですって⁉︎
お嬢様、本気ですか?」
「ええ。暁斗のお陰で
とても楽しい物になって来たの。
そんなきっかけを与えてくれた暁斗に
何も出来ないのが、申し訳なくて…。
だから、暁斗が願っていた復学を
してみようと思って。今の私には
写真があるもの!」
「お嬢様…。私が復学して欲しいと
気づいておられたのですね。
お嬢様にとって、写真と言う
存在がそれ程までに大きな物に
なっている事は私にとって
感銘深いです。」
「暁斗…。私頑張ってみるから
どうか見守ってて。」
「かしこまりました。ご武運を
お祈りしています。」
こうして私は高校に復学する事になった。
しかし、待ち受けていたのは
クラスメイトの冷ややかな扱いだった。
「えー。あの人誰だっけ?」
「ほら。ずっと休んでた西園寺家の
ご令嬢よ。今更来てももう高校生活の
半分以上は終わってるのにね。」
予想はしていたが、クラスメイト達の
反応は私にとって辛いものだった。
しかし、私が復学しようと思った理由の
1つが写真にあった。
写真部へと入部しようと
思っていたからだ。
「ここが写真部か…。緊張するなぁ。
コンコン。失礼します。」
「ようこそ!写真部へ!見ない顔だね。
もしかして新入部員かな?」
写真部の部室に居たのは部長であろう、
男子生徒とクラスで見かけた事のある
女子生徒の2人だけだった。
「はい。私、2年生なんですけど
今からでも入部って出来ますか?」
「写真に年齢制限なんて無いよ。
大歓迎さ!僕は部長の財前夕輝だ。」
「あれー?もしかして、同じクラスの
西園寺さん?写真部に来てくれたんだ!
私は知ってるかもしれないけど、
伊集院乃ノ香だよ。」
「お二人とも、これから
よろしくお願いします。私まだ
写真を始めたばかりなので、右も左も
分からないですが、頑張ります!」
この2人との出会いが後の高校生活を
一変する出来事となるのであった。
「早速だけど、写真部の活動を
伝えよう。写真部は週一回、
屋外活動として撮影に出かけている。
テーマを決めて写真を撮るんだ。
撮った写真は部員や顧問の中で
共有して評価し合う。良い作品が
撮れた場合は高文連に出品する事も
出来るぞ。夏休みや冬休みには
部内で課外活動として、撮影旅行に
行ったりなんかもするぞ!」
「結構、自分が予想してた以上に
良いものが撮れたり、自分では
気付かなかった意見を貰えるんだよ。
撮影旅行は毎年、とても楽しいよ!」
「何か凄くワクワクして来ました!
とても楽しみです!」
「興味を持ってくれてありがとう!
じゃあ早速明日からこの部室に
来て貰えるかな?顧問も紹介したいし。」
「分かりました!明日また来ます。」
こうして、私の復学初日は写真部に
入部した事により、楽しい物と
なったのであった。
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