第106話デリカリーがない奴


ま、マジですか

まさか早退するとは、しかし朝見た感じだと

そんな感じではなかったが我慢してたのか?

それとも急な風邪か、まぁこればかりは

仕方ない。

しかしどうしたものか、病人に今の話をしても迷惑をかけるかも知れないし

風邪が治ってから話すかそれと一応メール

しておくか。

そして俺はどう動けばいいものだろう。

ここは穏便にいって今日は何もしなくて

帰るか?

いや、少しでもいいから何か解る事を探すとするか。

でもどうしたものかねぇ。

そんなこんなで気が付いたら昼休みになっていた。

はぁー取り敢えずご飯食べますか、それと

俺のマイフレンドかつ相棒の胃薬を飲まないとなぁ。

ふふっ、胃薬にでも名前でもつけようかな

なーんて現実逃避しつつ今日は何時ものあの

デカイ木の所で食べるとしますか。

そうして俺は教室から出てあの場所

旧校舎の裏に行くこと。

あの場所なら一人で静かに食べられるからな

友達には悪いが今は皆でワイワイしている

暇がないからご飯食べながらでも考えなくては。

すまん、友たちよ!


さてとご飯ご飯♪


そしていざご飯を食べようとしたときに


「あれ?○○君?」


またお前なのか


『松本花菜』


現在進行形で悩みの種である彼女がそこにいた。


「お、おう」

少しどもってしまった。

恥ずかしい!


「○○君もここでご飯?」


「あ、あぁそういう松本さんもここで?」


「うん、この前教えてもらってここで食べてみたくなっちゃた」


そうやってはにかむ彼女は可愛いかった。

いかんいかん今は感傷に浸ってる時ではない

しかしどうするものか、ここで彼女こと

『松本花菜』に他にも色々聞いといた方がいいか?

うーん悩む

まぁない頭で考えても仕方ないか。

最初はジャブ程度で


「そういえば、何で足立さんの事が苦手なんだ?」


・・・・・・・・・・・・・・・・


し、しまったぁぁぁぁぁ!!

いきなりストレートかましてしまった!

やべぇどうしよう。

そうやって俺が黙っていると『松本花菜』

が口を開いた。


「ふふっ○○君って余りデリカシーないでしょ」


はい、その通りでございます。


「まぁ別に隠す事でもないからいいけど」


「な、なんかすまんな」


「ふふっ何で謝ってるの」


「いやーデリカシーがなくて」


「あはは、次からは気をつけてね」


そうやって笑う彼女は本当に実在する人そのものだった。

前に彼女は本来は存在しないと言っていたけど、まったくそんなふうには見えない。

やはり俺の知らない事がまだまだたくさんあるんだろう。


「はい、気を付けます」


「よろしい!」


「それじゃあ何で苦手か話そうか」


そうして彼女は語りだした。

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