第94話増え続ける謎とチャイナ


は、え?今なんて言ったんだ?

『松本花菜』は何をいってるんだ?

いや、もしかしたら聞き間違えたのかも知れない。


「えっとごめんよく聞こえなかった

本当は誰が来るはずだったんだ?」


「え、『小倉優依』ちゃんだよ?」


聞き間違えじゃあ無かった

いや、俺の知っている『小倉優依』とは

違う人間なのかも知れない。


「えっと確か?同じ学校で3組の『小倉優依』?」


「?そうだけど」


なんだ、何がどうなっているんだ?

訳がわからないぞ。

他の人からはすでに『小倉優依』の存在を

忘れていて退場しているはずなのに

なんで『松本花菜』は覚えているんだ?

もしかしたら彼女も俺や足立さんの様な

境遇なのか?

それにしては違和感がある

本当に一体なんなんだよ。

それに本当にフラグだったのか。


「あの、大丈夫?」

「なんだか顔色が悪いけど」


いかん、顔に出てしまってたか

でもそれは無理な話だろ。

急な爆弾発言なんだぞ

最後の最後にとんでもない事を言いやがって


「いや、すまんちょっと疲れただけだから」

ちょっとどころではないし

むしろ疲れたのは『松本花菜』のせいなんですけどね。


「そうですか、今日は色々回りましたからね」

「かくいう私も疲れちゃいました」


「あ、あぁ」

そっちじゃあない

いや、そっちもあるけども。


「あ、私の家は此方なので」

「送ってもらいありがとうございます」


「いや、別に遅くに女子一人は危ないからな」


「ふふ、それではまた学校で」


そう言って彼女は帰っていった。

彼女の背中を見送りながら

俺は先程の話を聞いてその場から

動けないでいた。


ただでさえ訳がわからないのにここに来て

更に問題が増えた。

もはや意味不明だ。


「ははは」

もう逆に笑えてきたよ

いつまでもここにいるわけにも行かないので

俺も家へと帰宅することに。

帰宅途中、色々なにがどうなっているのか

考えようとしても全く頭は働いてくれない。

気がつけば家に着いていた。


玄関を開けて自分の部屋へ行く前に何か飲み物をと思いリビングに行くと

母が何故かチャイナ服で料理をしていた。


「なにやってんの?」

正直今は色々と疲れているので触れたくないのだが後々面倒な事になりそうなので一応

聞いてみた。


「おかえりなさいー!」

「今日は中華よー!」


「なんでチャイナ服?」


「中華と言ったらチャイナでしょー!」


あぁ頭と胃のダブルパンチを受けたようだ。


「つーかなんでチャイナ服なんて持ってるんだよ」

まぁ他にも色々なコスプレがあるがそれには触れない様にしよう。


「新しく出来た友達にもらったのよー」

「なんでもその人、中華屋やってるみたいでー」


いやいや中華屋やってるからイコールチャイナ服持ってるっておかしいだろ。


「そうですか」

「今日は色々と疲れたから俺は部屋で休んでくるよ」


「お母さん愛情たっぷりな中華ができたら呼ぶわねー!」


「はいはい」


そうして部屋に入りベッドにそのままダイブする。

あー最後の最後でとっておきの爆弾発言しやがって。

取り敢えずは足立さんにメールしとくとして

これからどうしよう。

はぁーと深くため息を吐いた時


「お母さんの愛情中華できたわよー!」


との事でちょうど腹も減っていたので

リビングに向かった。


あーどうしたものかね

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