第93話更なる混沌


『姫野あかり』の一声で俺達はパレードを

観に行く事になった。

この遊園地パレードもしてたんだな。


そういえばパレードなんて観たこと無かったな、まぁどうでもいいけど。


「おーい早くしないといい場所で観れないぞ!」

『桜井暖人』が呼んでいるので行きますか。


「おう」


なんとか、いい場所を確保したは良いものの

なんでもここの遊園地のパレードは

結構スゴく人気らしい。

パレード目的で来る人もいるとか

つまり何が言いたいかというと


「人多すぎるだろ」

いやマジで多すぎて軽く酔いそうなんだが。

そんな俺を傍目に女子達は今か今かと待ち望んでいるようだ

楽しそうでなによりで。

そういえば『桜井暖人』は?

あ、『姫野あかり』の後ろでなんか黄昏てる

なにしてんだアイツ?

まぁ様になってるのがなんか釈然とするが

どうでもいいか。


そんなこんなで気がつけばパレードが始まった。


「私、こんなに間近で観たの初めてです」

「とても綺麗ですね」


「うーん!やっぱりパレードはいいわね!」


「しっかし本当に凝ってるな」


各々が感想を口に出す中、俺はパレードを

そっちのけに今日の事を考えていた。

今までならこんな展開になったら

何かしら起きてもおかしくないはず

だったけど、どうやら杞憂だった様だな。

でも最後まで気を引き染みていかんとな

帰るまでが遠足っていうしね。


気付けばパレードが終わっていたようだ。

考え事してて余り観れなかったなぁ


「いやーパレード観て正解だったわね!」


「うん、今日はとても楽しかったよ」


「さてと観賞に浸るのはここまでにして

そろそろ帰ろうか」

「もうだいぶ遅くなってるからな」


はぁー色々と疲れたな

いつ例の現象が起きるかヒヤヒヤしてたから

精神的にきつい。


そして、いざ帰ろうとした時に『桜井暖人』

がもう辺りが暗くなっているので女子を

一人で帰らせるのは危ないということで

俺は『松本花菜』を『桜井暖人』と『姫野あかり』送る事になった。

どうやら『桜井暖人』と『姫野あかり』は

帰り道が一緒の様だ。

これは嬉しい誤算である。


「今日は楽しかったわよねー」


「そうですね、また遊びましょう」


「それじゃあそろそろ帰るとするか」


はぁーやっと帰れる。

さよならをして俺は『松本花菜』を家に送る事になった。


「○○君は楽しめた?」


「あ、あぁ楽しかったよ」

色んな意味で疲れたけどね

しかしこうやって『松本花菜』と2人でいるのは初めてだな。

若干気まずい。


「また皆で遊ぼうね」


「今度は優依ちゃんとも一緒にね」


は?


「す、すまんその優依ちゃんって『小倉優依』の事か?」


「うん?そうだよ」


はは、何がどうなっているんだ?

どうしてる『松本仮名』は『姫野あかり』

の事を覚えているんだ?


何がどうなっているんだ?

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