第43話乙女少女足立ちゃん!


俺と足立さんで秘密の話をしている所

招かれざる客が来た

『桜井暖人』先程、俺達が話していた渦中

の人物である

しかもまさかの告白する雰囲気になってる。

咄嗟に隠れたはいいがこれからどうする?

また告白を断れば『綾地遥』の時の様に

消えてしまうのか

それとも告白を受けてそれが成功して

この世界が崩壊するか

どちらにしても状況が最悪なのは変わらない

ここで出ていっていくのは悪手すぎる

かといってなにもしないのも危険だ

そういえばさっきから足立さんは下を向いていて一向に動く気配はない。

こういう時こそ足立さんの知恵を借りたいのに全く反応がない

何故に?

いや今はとにかくこの状況を何とかしなくては、だが今は見守るしかないのか

そうこうしていると向こうにも動きが


『こんな所に呼び出してごめんね』


『いや、予定もないから大丈夫だよ』

『それで確か隣のクラスの小倉さんだったよね?』

『俺に何かようかな?』


『あの良かったら付き合って下さい!』


はぁ!

マジか!

またこのパターンかよ!

くそ!また人が消えるのかよ!

それだけは阻止しないと!

あれ?でもあの悪寒が来ないな

なんでだ?


『えっと今のは告白かな?』


『へっ?』

『あ、いや違うの!』

『そのなんていうか間違えたというか』

『えーとその!』


パニックになってるなぁ


『取り敢えず、落ち着こうよ』


うん、落ち着こう俺も


『ごめんなさい』


『いや、大丈夫だよ』

『それよりはその付き合うってどういう意味?』


そうそう其処だよ


『その無理ならいいんだけど』


彼女の話をまとめるとどうやら他の学校の

友達が『桜井暖人』と会ってみたいとの事で今週の休みに良ければその他校の友達と一緒に遊ばないかというものらしい

つーか他校の人にもモテるってどんだけだよ

漫画の主人公かよ

主人公だったな


『うん、それならいいよ』


『本当!ありがとう!』

『また連絡するね!』


そういって彼女は帰っていった。

はぁーまぁなにはともあれ告白じゃあなくて

良かったわ

でも遊びに往くのは決まったので今度はそれをなんとかしないとな

俺達のいない所でなにか起きてからではおそいからな

気付けば『桜井暖人』もいなくなっていた。

そして俺達は物陰から出ることが出来た。


「また厄介な事になったな」

「足立さん取り敢えずどうしようか」


返事がないただの足立さんの様だ

そりゃそうだ


「足立さん?」


「へっ!えっとな、何かな!」


「いやだからさっきの他校の奴と遊ぶって

やつ、どうしようかと」


「あーそうだねどうしようか!」


「あの顔赤いけど大丈夫?」


「えっ!いや、大丈夫だから!」

「ともあれもう遅くなって来たから私達も帰ろうか!」


そうまくし立てると足立さんは早足で帰っていった。



俺は鈍感系の主人公じゃないからなー

男子への耐性ないのかー

足立さんマジ初心&乙女



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