第35話世界の真実(仮定)
ようやく家に帰り今日の事を色々と考えて
まとめてみる。
『桜井暖人』の行動、正に絵に書いたような
主人公だと改めて実感した
そして『姫野あかり』に対しては他の女子
とは態度が違う。
何がどう違うかはいまいち分からないが
明らかに違うのは確かだ
それとこれはまだ推測の域は出ないが
『桜井暖人』が生ヒロイン以外の告白を
断れば存在が消えてしまうかも知れない
全くふざけてやがる
『姫野あかり』こちらも絵に書いたような
ヒロインだ
但し『桜井暖人』のまえではツンデレになる模様
しかし彼女の行動は本当に一昔前のラブコメだな
そして今回の一番の収穫は彼女が元々はこちらに住んでいたという事だ
もしかしたらこれは何か手掛かりになるかも知れない。
取り敢えずは足立さんに今日の事を報告しなければ
メールだと上手く説明出来ないので
電話にするか、そういえば電話でのやり取りは初めてだな
そしていざ電話しようとしたのだが
何故か指が動かない
ただ電話するだけだ
それに今日の出来事を聞いて情報交換をするだけだぞ
相手が女子だからか?
いや足立さん以外にも女友達がいるので
女子との電話で今さらだ
もしかして緊張してる?
ならなんで緊張してるんだ?
そんな感じでモヤモヤして気付けば一時間
立っていた
と、取り敢えず電話しなければ
今はこの感情は頭の端っこに追いやり
いざ電話を!!
そして通話ボタンを押した
1コール
出なかったらどうしよう
2コール
そしたらもう電話する勇気はどっかに飛び立つぞ
3コール
『はいもしもし』
出た!
『どうしたの?何か分かったことでもあった?』
「あぁ話が長くなりそうなので電話で話そうとおもょて」
電話して、勇気を出すも、噛む私
うん一句詠むぐらい恥ずかしい
泣きたい
『その、話してもらってもいいかな?』
足立さんはさっきのをなかった事にしたようだ、ありがたいがそれぞれで悲しくなる
閑話休題
取り敢えず今日あったことを特に重要そうな内容について話をした。
それを足立さんは静かに聞いてくれた。
「とまぁ今日わかったのはこれくらいかな」
『○○君お疲れ様』
『それに彼女が元々こちらに住んでいたのは確かに気になる所だね』
「あぁこれが普通の世界なら気にする事も
ないけど今起きてる現象を考えるとやはり何かあるかも知れない」
『うん、後は『桜井暖人』についても少し疑問だね』
「疑問?」
確かに『姫野あかり』に対しては他の女子と対応が違うのはわかるが他にも何かあるのか
『うん、彼はモテるでしょ?』
「まぁ認めたくないけど」
『ふふっそうだね』
『まず前提として今起きてる現象が
少女漫画の様な展開を繰り広げているのはわかるでしょ?』
「それはわかるよ、実際にあり得ない事が起きているしご都合主義みたいなのもあったしね」
『そうだね、私は余り少女漫画は見ないんだけどこんな事が起きてしまったから色々と見てみたんだよ』
『古いものから最新のものまで』
えっマジっすか足立さんパネェ
『それで今起きている現象と漫画の世界観を照らし合わせてみるとどうも不思議というか噛み合わないんだよ』
「噛み合わない?」
『うん、だって漫画の主人公は昔も今も全部ヒロインと付き合ってハッピーエンドじゃない?』
『それにヒロインだって複数いる物もある』
足立さんはなにが言いたいんだ?
『でもこれまでの『桜井暖人』の行動はあまり当てはまらないんだよ』
『確かにそれっぽい事は起きているよ』
『でもそれにしてもラブコメな展開が少な過ぎる気がするんだよね』
今まで起きたことといえば
朝のテンプレな出会い
そして転校生としての登場
引かれそうな所を助ける
入った店に彼女がいて倒れそうなのを助ける
確かに少なく感じる
でも
「それはまだ会って日が浅いからじゃないのか?」
『そう言われるとそうなんだけど』
『ここで『桜井暖人』の事が疑問におもったんだよ』
「どういうことだ?」
『彼は云わば主人公だよね?』
『ならなんで主人公補正が働いてないのかな?』
???
「えっとどういう意味?」
『だってもし彼の主人公補正が働いていればもっとスムーズに物語は展開されるはずだよ』
『それにあの悪寒あれが一番不思議だよ』
『今まではなんとか乗り気って来たけどあれって一体なんなのかな』
確かにあの悪寒は謎だ、まるで世界が終わるような
「まさかっ!」
『気が付いた?』
「もしこの世界が少女漫画なら普通は主人公とヒロインが付き合って終わり」
「だけどそれ以外と付き合おうとすると」
『バッドエンドだね』
「それじゃあ告白した子が消えたのも」
『邪魔になったから』
『このままじゃ物語がおかしくなるから』
『消した』
絶句した
そんなふざけた話があるかよ
いや実際にあるからこんな事が起きてるのか
『多分この世界もとい少女漫画は不完全なんだよ』
『だから上手くいかないと世界が消える』
『それが感知できるのは君と私だけ』
『まぁあくまでも仮定だけどね』
彼女の仮定は恐らく当たっているか近いのだろう
「それじゃあこれからも『桜井暖人』や
『姫野あかり』に告白したらその人は消えるのか?」
『退場といった方がいいかな』
『そしてその可能性はあると思うよ』
最後の方は声が小さくなっていた。
当たり前だこんな事受け止められない
というか信じたくない
だが前例がある以上無視もできない
「つまり俺達は2人が付き合あうのを
サポートしていかないといけないって事か」
『多分ね』
おいおい只でさえあの2人は容姿がいいんだ
告白だっていつされてもおかしくない
それを2人だけで阻止なんて無理だ
『でもそこはご都合主義が発生すると思うよ』
俺の心を読んだのか足立さんはそう答えた
『実際に君は二度もあの悪寒を止めたじゃないか』
「いや、でもあれはたまたまで」
『さっきもいったけどこの世界は不完全なんだよ、だけど物語としての機能はまだ残っていると思う』
『それがご都合主義だよ』
便利だなご都合主義様は
頭が追い付かないがなんとか冷静さを保って
「でもなんで俺達がこんな事を?」
「もっと他にもいただろう」
『そればかりは分からないよ』
『たまたま選ばれただけなのかも知れない』
『それとも・・・』
んっ最後に何か言ったようなでも
今日はもう疲れたなにも考えたくない
「取り敢えずは足立さんの仮説で動いてみよう」
「俺達は陰ながらサポートをして2人に付き合ってもらう」
『うん、その方向性でいこう』
『君も今日は疲れただろう、また落ち着いてから話し合おう』
「あーもう勘弁してもらいたいよ」
これからの事に憂鬱になる
『ふふっそうだね勘弁だね』
「それじゃあ、また明日」
『うん、また明日』
こうして足立さんとの話し合いは終わった
もう色々考えすぎて頭が爆発しそうだ
はぁこれからリア充のサポートをしなくちゃいけないのか
俺の頭よりそっちが爆発しろよ
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