第18話ご都合主義って便利
俺は昨日あった事を事細かに話した。
こういうとき自分の語彙力のなさに嫌気が
差す。
いやこれはあれだ相手が女子というと
いうことで緊張しているだけだろう。
うん別に俺が語彙力がない訳じゃないな!
なんだか言い訳していて悲しくなってきた。
まぁいい足立さんはこちら話を聞きながら
ふむ、なるほど、と相づちをうっている。
「って感じかな」
話を終えると足立さんは少し考えて
「○○君、君が危機感を感じたのは昼休みなんだよね?」
俺は頷くと
「私も昨日ちょうど昼頃そのような感覚に陥ったよ」
「まぁ直ぐにその感覚はなくなったけどね」
俺はその言葉を聞いて驚いた。
足立さんは昨日は休みでその場にはいないにもかかわらず俺と同じ感覚に陥っていたのだ
また一つ謎が増えた。
勘弁してくれよ、神様
そんな事を思いながら俺はそういえば昨日は
何故休みだったのか聞いてみた。
昨日担任がいうには風邪といっていたが
あの話の後だ例え風邪だとしても何か考えて
きているかも、後は純粋に心配なだけだ。
「えっうん風邪を引いてねもう良くなったよ心配をかけてごめんね」
何か意味深だが聞くのも野暮だろうと思い
聞かない事にして話を戻す事にした。
「足立さんはこの感覚についてどう思う?」
「うーんただの仮説というのもおこがましいけどなんとなく感じたのは」
そのまま行くと物語が終わってしまい
世界が消えるから
ハンマーで頭を殴られた様な感じがした。
「いや、でもそれは」
「うん、正直自分でもあり得ない事を言ってるのはわかるよ?」
「でもね?昨日考えていた事と君のその話を聞いて思ったんだ」
「もしこの世界が少女漫画の世界だとしてもちろん主人公とヒロインがいるとする」
「普通の少女漫画なら二人が恋人になってハッピーエンドだよね?でも、もし二人が恋人にならなかったら?」
「そうなれば物語が成立しない、だから世界が消えるいやリセットするって感じかな」
あくまでも仮説だけどと言った彼女。
その話を聞いてあり得ないと言いたかったが
昨日、自ら体験したのだ。
頭ごなしに否定できない。
だけど話を聞いて気になる事を聞いてみた。
「でもそれじゃあハッピーエンドを迎えても結局はこの世界は終わってしまんじゃ?」
そう、そこだハッピーエンド
つまりはEND、終わりである。
どちらにしよ終わってしまっては何も意味がない。
「いや、ハッピーエンドを迎えても少女漫画だとだいたいその後は幸せにくらしましたって感じで終わるから多分大丈夫と思うよ」
「根拠はないけどね」
つまり今の仮説が正しければ正ヒロインこと
『姫野あかり』と主人公『桜井暖人』が
ゴールインするとハッピーエンドに
逆に二人が恋人にならずお互いが別の人と
付き合うまたは
誰とも付き合わなければバッドエンド
なにこのクソゲー
「しかしその仮説がもしも正しければなんで二人は付き合う流れにならないんだ?」
「それは多分『補正』というのがないからかもしれないね」
『補正?』
「簡単に言えばご都合主義ってやつだよ」
なるほどだから昨日の様な感覚に陥ったのか
「でもそれじゃあどうしたらいいんだよ」
「二人がくっつくの私と○○君でフォローするしかないかな」
「いや、そんな事を言っても昨日みたいな
場面にそう簡単に遭遇するとは限らない」
そうそうだもしこの仮説通りで行くなら二人を四六時中彼等を監視しなければならない。
それマジでストーカー。
すると足立さんはクスリと笑い
「大丈夫だと思うよ?」
だってご都合主義だもの
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