第19話失敗作

ご都合主義とは

ヒーローがピンチになったりしたら急に覚醒をして敵を倒したり

魔法少女達が絆の力で悪を滅ぼしたり

スポーツでの試合で残り僅かな時間で逆転したり等々


つまりなにが言いたいかと言えば

なんでもありと言える。

もちろん現実ではそんな事は起こらない。

そんなものはフィクションの中だけ

だってこの補正がなければ

ヒーローは覚醒せず敵に敗れ

魔法少女達は悪に屈する

スポーツでは敗け試合で終了

物語でこんな展開になってしまっては

見ている人はがっかりするだろう

話を戻そう。


でも待ってほしい俺は確かに奇妙な体験を

してはいるがそれはあくまでも自分の中での事これは現実だ。

そんなご都合主義があるわけない。

しかし足立さんの仮説はこれまでの話の中では一番信憑性が高い。

パンを加えて登校や

ぶつかった相手が同じ学校で同じクラス

トラックに引かれそうな彼女を助ける

まさしくご都合主義としかいいようがない。


そしてそのご都合主義は俺にも起こった。

それは件の屋上での出来事だ。

あんなタイミングよく告白現場を見てしまったのだ。

しかも俺だけだ。

これが俺の他に何人かいたらそもそも

告白事態起こらないであろう。


まだまだ決定的なものはないがこれが一番

有力な仮説なのかもしれない。


「わかった、そのご都合主義とやらがあるとして結局の所、俺達は何をすればいいんだ?」


そうそこなのだ、色々仮説をたててハッピーエンドへと向かわせるにしてもこちらは何をすればいいのか分からない。


「それはね○○君昨日君が体験した事をすればいいんだよ」


昨日?

あの屋上での危機感の事だろうか?


「えっとつまりいわゆるバッドエンドの方向に進ませないように動くということ?」


「そうだね、幸い私達はどうやらバッドエンドの方向に進もうとしたらあの感覚に陥ってしまうからね」


「ある意味レーダーみたいな感じでそれを感じとって後はなるべく二人を監視しながら

ハッピーエンドに向かわせる手伝いをすればいいんと思うよ」


なるほどね

流石学年でもトップクラスの成績があるだけはあるな


「でもこれはあくまでも仮説これから先もっと別の事が起こる可能性も十分にあるから

そこら辺も今後対策しないと」


なんか男として色々負けている気がしてきたよ

こういう場面は普通、男が女子を引っ張っていくものなのに

あれ?何故か心の汗が止まらないや


「ん?どうしたの?」


「いや、自分の中の何かが壊れそうなだけだから」


「???」


首を傾げて可愛いなこんちくしょー!

などとバカな事を考えているとふと疑問に

思ったことを言った。


「なんでそもそもこんな事をしないといけないんだろ?」


「多分だけどそれはいや、この世界、少女漫画が」



失敗作だからだよ

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